紹介患者さんの治療。

主訴は、

左上の奥歯の神経が死んでしまい、治療が必要と言われた。1年ほど前に左上顎洞炎にもなってしまった。。。

である。

歯内療法学的検査(2024.2.5)

#12 Cold+2/4, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#13 Cold NR/20, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#13は生活反応がない。

その多くは1根管であるので、このことから#13は壊死している可能性が高い。

PA(2024.2.5)

Direct Pulp Cappingしたような形跡が見える。

それを

成人で行ってもほとんど成功しない

ことは昨年のセミナーで講義した通りだ。

東京歯内療法セミナー2023

しかし何度言ってもみんなそれをやる。

もう変わりようがないのかもしれない。

CBCT(2024.2.5)

歯内療法学的診断(2024.2.5)

Pulp Dx: Pulp necrosis

Periapical Dx: Symptomatic apical peridontitis

Recommended Tx: RCT

ということで根管治療を行うことに関しては問題はないだろう。

上顎洞炎に対しては、

まず

#13の根管治療

それでも治癒しなければ、

#13の歯根端切除術

という対応だろう。

それでも治癒しなければ、耳鼻科での治療になる。

そしてこの上顎洞炎を発生させた治療は、

Direct Pulp Cappingである。

このことに対する歯科医師の責任は重い。

が、上記の内容で対応していくことを患者さんには説明し、治療へ移行した。


☆この後、治療動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。


#13 RCT(2024.2.5)

以上の内容で根管形成し、根管充填したが、複数Gutta Percha Pointを挿入しなければへぼい根充になる。

根充後に築造して、PA, CBCTを撮影した。

次回は半年後の2024.8である。

その際、この治療がどうなったか?をまたご報告したい。