バイト先での治療。

主訴は、

咬合痛がある。硬いもの(大根レベルでも)が噛めない…

であった。

歯内療法学的検査(2024.2.27)

#2 Cold+2/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#3 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(+), BT(++), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#3に打診痛、咬合痛、圧痛がある。

適切な治療ができれば問題が解決する。

が、何度も言うがそれがPAのみで達成できるだろうか?

もはや私の中では、PAは撮影する必要があるのか?とさえ思ってしまう時がないではない。

PAとCBCTを撮影した。

PA(2023.11.28)

MBは根管は見えるが石灰化が進んでそうだ。

DBは判然としない。

Pには根尖病変と思しき黒い影が見える。

ということで、CBCTも撮影した。

CBCT(2023.11.28)

MB

MBは石灰化が疑われるが、根尖病変がない。

ということは…クレイジーに穿通を狙う必要がないとわかる。

根管形成そのものも必要ないと思われる。

何度も言うように、根管の中にある歯髄を全て形成で取り除くことはできない。

根管治療とは、結局は断髄なのだから。

DB

DBは根管が透けて見えている。

穿通できるかもしれない。

が、それは以前から何度も言うように、実際に形成しないとわからないのである。

以下のケースがそれだ。

USC時代の症例〜#30 Initial RCTも全く穿通できず…どうやって根尖病変をマネージメントするのか?

そして、頬側の皮質骨が破れている。

これが、検査でのPalpation(+)の原因である。

P

Pはほとんど形成がなされていないようだ。

そして根尖病変もある。

が、

穿通できるかどうかはわからない。

やってみないとわからないのが、再根管治療だ。

ということで、この治療の成功の目安は、

口蓋根を穿通・形成できるか?に絞られた。

歯内療法学的診断(2023.11.28)

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: Re-RCT

ということで、別日に治療が行われた。

と言うよりも、ここでアナウンスメントである。

現状この歯科医院(学研都市歯科・矯正歯科)では私の治療の予約が取れない状況である。

今日(2024.2.27)、受付の人に確認すると、2024.6まで予約が取れないそうだ。

なぜか?

この歯科医院の多くの患者さんの治療予約で既に埋まっているからだ。

そして私は、5年前に脳出血で倒れているためもうハードな治療はできない。

急ぎであれば、まつうら歯科医院 歯内療法専門室まで直接、どうぞ。

博多まで行けるか!と言うあなた。私の治療は必ず1回で終了しますよ。

ということで、別日(3ヶ月後)に治療が行われた。


⭐︎この後、治療動画が出てきます。不快に感じる方は視聴をSkipしてください。


#3 Re-RCT(2024.2.27)

口蓋根から作業長を測定した。

RIL=14.5mm, 作業長は14.0mmとした。

Reference Pointは Pだ。

MAFは#40.04とした。

根管充填で使用するGutta Perchaは#35.04である。

なぜか?

その詳細は、

Basic Course 2024

で説明します。

DBは穿通しなかったので、HyFlex EDM #10.05で機械的に穿通を試みた。

が、Fileは破折してしまった。

しかし、である。

Apicoectomyが難しいのか?といえば、難しい歯根ではない。

また、Fileが折れようが折れなかろうが、再根管治療の成功率に差は出ないこともわかっている。

とまあ結局、

外科治療ができなければ根管治療は完結できない

と言うことがわかるだろう。

MBは根管口そのものが発見できなかった。

が、病変がないのでそのままである。

BC sealerとGutta PerchaでSingle Pointで根管充填した。

術後にPA, CBCTを撮影した。

破折ファイルはApex近傍で破折している。

このまま治癒していく可能性ももちろんある。

経過を見るしかないのである。

が、

折れたことは患者さんに告げなければならない。

そして、折れようが折れなかろうが、予後に差が出ていないという学術的な事実も、だ。

ということで、支台築造して終了した。

次回は半年後である。

またその様子をお伝えしたい。