週末日曜日はBasic Course 2024 第1回が行われた。
このコースの趣旨は以下。
テーマは、
無菌的処置の重要性
歯内療法の成功率と治療の流れ
難治化した場合の原因とその対処と予防法
診査・診断
である。
まずお互い自己紹介して、講義が開始された。
まず10年前にUSCの面接試験を受けた時に読めと言われたKakehashi論文を説明した。
この説明スライドで重要なのは、以下だろう。
無菌環境で治療した場合、上記①~③が達成される。
MTAセメントがなかったのに、だ。
さすれば、以下のようなことは起こらなかったはずである。
レントゲンでどれほど綺麗に見えるか?は予後に影響を与えない。
このような治療も糾弾されることが多いが、
問題がないことがわかるだろう。
そしてもう一つが、
こういうことが起きるか?
であるが、
先人により、見事に否定されている。
歯牙にこのようなことは起きないのである。
起きるとすればそれは、Implantには起きることがわかっている。
が、歯牙には上記の写真のようなことは起きない。
この日はLandmark文献といわれる文献を複数扱った。
非常に重要な考え方であるので、しっかり記憶しましょう。
次に、歯内療法処置の成功率を算出した。
それぞれの治療の成功率が、
治療前にわかる
ことが重要である。
それぞれがいくらになるか?空で言えますか?
ここもきちんと記憶しましょう。
次に非外科的歯内療法の生存率を算出した。
それぞれ生存率はいくらだっただろうか?
歯内療法処置は歯牙を脆くする危うい治療だっただろうか?
ここもよく記憶しておきましょう。
上記の治療が奏功しない場合、
ApicoectomyまたはIntentional Replantationが行われる。
それぞれ成功率はいくらだっただろうか?
以上を整理すれば、以下のようになる。
歯内療法(再根管治療)の成功率・・・90%
100人治療すれば、90人が成功するが、10人は失敗するものの、そのうち9人は外科治療で救われる。
つまり、
歯内療法の問題で抜歯することは、ない。
では何が抜歯の原因だろうか?
これについては次回以降、解説する。
ここまで全て身につければ、あなたの歯科医院は繁盛するだろう。
そうでなければ…
ネジを入れて、審美的な補綴を装着してください。
そして午後からは歯内療法の検査の話を行った。
以下のフリーのPDFがその素になっている。
AAE Consensus Conference Recommended Diagnostic Terminology
https://www.aae.org/specialty/wp-content/uploads/sites/2/2017/07/endodonticdiagnosisfall2013.pdf
それぞれの試験の特徴と正確性を把握しよう。
以上を整理すると以下になる。
次がHeat test。
ということは、Heat testは歯髄が壊死する可能性がある試験である。
そんな試験を日常的に誰が行うだろうか?
私の周りは誰も行っていなかった。
次がEPT。
私はこの話になると、留学時代のある出来事を思い出す。
USCには大学院生が20人いて、EPTマシーンはKavoのものが3台あった。
あれは最初の頃だ。
周りを見るとみんなはすぐさま治療へ移行している。
に対して、私は非常に進捗具合が遅かった。
なぜか?と周りに聞いたら、
周りのみんなは誰も、
Heat TestやEPTをしていない
という事実。
なぜしないのか?と聞くと、
Cold testの正確性は90%なのに、なぜお前はそれを信用しないのか?という最もな返事。
そう。でももっと正確な試験はないのか?といえば、それはあるが、どうしたことが問題だっただろうか?
ということで、結論としては以下のようになる。
歯内療法は類推ゲームだ。
次が根尖部歯周組織の検査。
以下の動画が必要な検査を表している。
以上より、
歯髄の病名と根尖部歯周組織の病名を決定する。
その際は、以下の中から選択する必要がある。
ご自分が理解しているかどうか?は、日々の臨床で今日教えたことを行い、一つ一つのケースで病名をつける練習をしてください。
慣れれば誰でもできます。
そして、
急性化膿性〜という病名は使用しないでください。
理由は、ワールドスタンダードがアメリカだからです。
世界の公用語は英語です。
それ以外の言語で病名をつけても誰もわかりません。
そして我々は臨床をしなくてはなりません。
上記のようなのは、病理病名です。
今から治療します!という前に、どうやって病理を再得するのですか?
考えればわかる事実です。
もう諦めてまずは病名を記憶してください。
ということでこの日の講義は終了した。
次回は、5/19(日) 10:00~に行います。
内容は、
米国歯科大学院における根管形成方法、作業長の決定方法、拡大号数(MAF)の決定方法、グライドパス、メカニカルグライドパス、上下前歯、小臼歯の解剖学的特徴、上下大臼歯の解剖学的特徴、根管充填方法(Single Point ObturationとGutta Percha Pointの選択方法、消毒方法)、根充時に気泡が入ることは問題なのか?(Hollow tube theoryについて)、細菌の減少と拡大号数、歯根破折を防止するような根管形成方法は?
です。
また来月お会いしましょう。
1日お疲れ様でした。