以前の記事の続編。
根尖部まで根管形成が可能か?石灰化+破折ファイル片+トランスポーテーションした根管の形成方法は?〜#30 Re-RCT+Core build up
上記記事の続編。
#30は結局、遠心根のみ穿通したが、Ni-Tiファイルが破折しているM根は穿通できなかった。
ということで、この日に外科治療へ移行している。
☆以下、外科動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
#30 Apicoectomy(2024.2.15)
まず#30 MのApexを探す。
術前のCTからそれは容易だろう。
長さを測定するまでもないことがわかる。
Apexを発見したら頭を出してRoot resectionだ。
その際、5mm削合する必要がある。
利き手が右なので右下はやりずらい。
左利きなら…容易だろう。
アシスタントがバキュームを私の45°のタービンの右におかなければならない。
このまま進めると…口唇を切ることになるからだ。
が、タービンの右にバキュームを置いてアシストするのは非常に難しい。
まさに慣れていないと無理な話だ。
ここがアシスト力なのかもしれない。
ということでRoot resection後にメチレンブルーで染色して逆根管形成した。
PA, CBCTを撮影した。
折れたNi-Ti Fileが骨窩洞の中に残存している。
逆根充が適切かどうか?はこの1枚ではわからない。
偏心撮影した。
偏心撮影して問題がないと判断できるだろうか?
私にはできない。
それができるようになるのが診断力!
とかつて宣った方がいたが私には無理だ。
私はCTを1枚取ったほうが楽だからである。
それが目に見え用が見えなかろうが患者には無関係だ。
患者が期待するのは、
あなたが適切にやることのみ、なのだから。
CTを撮影した。
逆根管形成が頬側が未着手であることがわかる。
これがCBCTの醍醐味だ。
間違いを教えてくれる。
非常に重要な機材である。
もはや歯内療法にはなくてはならないだろう。
その際は、
Carestream社のものを採用しているヨシダがナンバーワン
だろう。
ということで、訂正した。
ここにMBがある。
またNi-Ti Fileのかけらも除去しておいた。
逆根管形成し、逆根管充填した。
PA, CBCTを撮影した。
問題はないと思われる。
このように、
自分のミスを提示し、それを改善したか?確認させることができる機材はCBCTしかない。
このことからも、
CBCTはまさに歯内療法においてはStandard of Careということができる
だろう。
縫合して終了した。
次回は半年後である。
また報告したい。