紹介患者さんの治療。

主訴は、

2~3年前に被せた右下の奥歯の根の先の病気が以前よりも大きくなっていると言われた。痛みはないが…

であった。

初診時歯内療法学的検査(2024.1.10)

#30 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#31 Cold+3/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

右下の奥歯に痛みはない。

痛くないということはそれだけで有利だ。

術後にややこしいことになりにくいからである。

初診時PA(2024.1.10)

初診時CBCT(2024.1.10)

MB

MBは根管治療されているが、トランスポーテーションしている。

穿通もしていない。

ここは修正できるか?が鍵だが、

修正できなければApicoectomyなので、その際はGutta Perchaを除去しておけば外科がやりやすくなる。

これも治療上の知恵だ。

ML

MLには折れた道具があり根管形成を阻んでいる。

これが取れるか?だが、やってみないとわからない。

取れなければ…Apicoectomyだ。

D

Dにも病変がある。

根管治療は途中で終了している。

が、この根管には変異がない。

穿通できる可能性はある。

が、やってみないとわからない。

Radix

Radixには病変がない。

根管は石灰化しているように見える。

事実上の断髄で経時的に根管が石灰化したのだろう。

これは…不幸中の幸いだ。

ここは根管形成できないが、病変がないのでする必要もない。

ここに病変があるのとないのとでは、治療の難易度が大きく変化するからだ。

初診時歯内療法学的診断(2024.1.10)

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: Re-RCT

推奨される治療は、まずは再根管治療だ。

うまくいかなければ、Apicoectomyへ移行する。

別日に、再治療へ移行した。

ここで紹介元に折れたファイルについて尋ねると、

Ni-Ti Fileです…

という答えが返ってきた。

ということは…除去は不可能だろう。

ともかく、後日治療へ移行した。


⭐︎治療動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。


#30 Re-RCT(2024.2.9)

MLのNi-Ti Fileは微動だにしなかった。

MBはトランスポーテーションが大きく修正不可能であった。

Radixは根管口自体がない…石灰化が進行していた。

唯一、穿通したのはD根だ。

が、メカニカルに穿通させている。

こういう時は、CTでその長さを計測する。

クラウンのトップからApexまでが16mmである。

レジン冠の厚みが2mm。

ということは、14mmの長さで突けば穿通する可能性がある。

ということで、HyFlex EDM #10.05で根尖を突いてみた。

その後、RILを計測し、-0.5mm引いて作業長とした。#60.02まで形成し、

アピカルストップも付いているので、#35.04のGutta Percha PointとBC sealerで根充することにした。

その他の根管は閉塞していた。

MLのファイルなど微動だにしなかった。

D

と言うことで再根管治療は奏効しなかった。

自動的に、Apicoectomyへ移行することとなった。

その模様はまたお伝えします。