紹介患者さんの治療。

主訴は、

歯が欠けて痛みがある。歯応えがあるものが噛めない。

であった。

歯内療法学的検査(2024.3.4)

#9 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#10 Cold NR/20, Perc.(+), Palp.(+), BT(++), Perio Probe(Mのみ 4mm), Mobility(+1)

#11 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#10は仮封がされていた。

近心部分の歯周ポケットは4mmである。

歯牙の動揺も1はあった。

PA, CBCTを撮影した。

PA(2024.3.4) 

う蝕で歯牙が失活している。

CBCT(2024.3.4)

上顎側切歯の解剖学的特徴がこの術前のCBCTに現れている。

根尖部がフックしているという事実だ。

これに追従して形成できずに多くの臨床家が根尖病変を作ってしまう。

以前の記事も参考にしていただきたい。

上顎側切歯がApicoectomyになりやすい解剖学的な理由とは??2本で30分の治療〜#7,10 Apicoectomy

歯内療法学的診断(2024.3.4)

Pulp Dx: Pulp Necrosis

Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: RCT+Core build up with Fiber Post

成功率は90%。うまくいかなければ、Apicoectomyへ移行だ。

ということで、同日に治療が行われた。


☆この後、臨床動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。


#10 RCT(2024.3.4)

近心にレジン?が充填されていたので、それを除去し、Temporary build up(隔壁形成)を行った。

その後、ラバーダムをかけて根管治療へ移行した。

今回の治療は、

HyFlex EDMでなくヨシダのREファイルを使用した。

このファイルは…

正直もうヨシダは日本のEdgeEndoと言えるだろう。

全く使用感に問題がない。

そして費用も従来のものより安い。

であれば、どっちが勝つか?は目に見えているだろう。

#60.02は抵抗感が強かった。

が、

それはこの根管の根尖部の形態がそうさせているのだろう。

J-shapedだからだ。

というところで、根管充填した。

クラウン修復希望であったため、支台築造して終了した。

治療後にPA, CBCTを撮影した。

 

ということで全く問題なく、10数分で終了した。

次回は半年後である。

また詳細をお伝えしたい。