7/7の週末日曜日は、まつうら歯科医院で、マイクロApicoectomyマンツーマンコースが行われた。

受講者は前回、座学のみ行った先生1名である。

まず、Intentional Replantationのように手持ちでRoot resectionしてもらった。

この際のポイントは、

強拡大しすぎるとベベルをつけて切断してしまう

という問題を理解してもらいたかったからだ。

つまり、

Root resectionは低倍率で行わなければならない

ということがわかる。

また、いきなり3mmを狙うと3mm以上に削合してしまうことになるのでこれも避けたほうがいい。

そして、イスムスがあるか?と言えば、メチレンブルーで基本的には判断するものの、そうでない方法で判断する方法もあるということを学んでいただいた。

この後、Apicoectomyの実習に移行する。

いわゆる、模型実習だ。

改めて思うが、Apicoectomyの模型実習は以下のように行わなければ、ほぼ無意味だろう。

その意味では、今まですべての実習が無意味だったと言える。(今までのマイクロサージェリーマンツーマンコースを受講された先生、すいません)

まず#8。

CBCT像は以下だ。

CEJより16mm下方にApexはあることがわかる。

そして模型という名の歯槽骨を4.5mmほど削れば#8のApexに到達する。

到達したらば、そこをApexから3mmで切るには、頬舌的に4mm削らなければならない。

その際、バーに以下のような目印をつけておくことをおすすめする。

が、いきなり術野が見えない問題が…

なぜか?

上記のリンデンバーが短いからだ。

短い道具は手元が見えなくなる。

それはマイクロスコープを使用した治療では不利に働くのである。

なので、

私は原則的に28mmの長いゼクリアバーしか購入しない。

エンドはマイクロスコープを使用して治療するので、短い道具は基本的に使用できないのである。

そのため、Munce Discovery Bursをはじめとする長い器具が非常に治療で重宝するのである。

長いゼックリアに変更した。

するとどうだろうか?

上記動画との違いがわかるだろうか?

ここまで視野が変わる。

が、この受講者はそこまで理解していなかった。

が、仕方がない。

こんなこと誰も教えないのだから。

また、タービンから注水させると術野が見えずらくなる。

すると治療がやりにくい。

なので、Apicoectomyではスタッフに注水してもらう必要がある。

これはUSCの時がそうであった。

なぜ注水させない?とアシスタントに聞いたら、

術野が見えなくなるから

と答えられたものだ。

ここも把握することが非常に重要なポイントだ。

このようにCBCTはもはや歯内療法にはあって当然で、

それをどう分析するか?の方がはるかに重要であると理解してもらいたいし、それが分析できないものがApicoectomyすれば不幸な結果しか産まないだろう。

ということで、模型の頬側石膏を削除して、Apexまで到達した。

ここを3mm切断する。

それには歯牙を頬舌的に4mm切断しなければない。

その際、上記のようにバーにマーキングしておけばApicoectomyがやりやすくなる。

Root resection後は切断面を評価した。

上記のこのような形状になっているだろうか?

なっていれば、ベベルがつくことなるうまく切断できているということになる。

が、そうでなければベベルがついているということになるが、その場合でも何に注意すれば良かっただろうか?

これも座学で享受したことだ。

ということで、逆根管形成した。

この際のポイントは、

超音波チップが3.5mmきちんと沈むまで形成しなければならない

という事実である。

これがことの他、難しい。

Apicoectomyの大概の失敗はつけたベベルよりも浅い逆根管形成・逆根管充填である。

この日の受講者にはそれを達成させるためのコツを享受した。

最後が逆根管充填だ。

これは

Lid Technique

により大きく易化した。

時代が変わったのだ。

専用の逆根管形成チップはBrasslerから購入するか?FEEDの某チップを上記動画のように改良するかのどちらかだ。

ということで、最後にPAを撮影した。

問題はないと思われる。

ということでこれをその他の前歯、上顎小臼歯、そして大臼歯にまで行い、この日の実習は終了した。

実習は模型で模型は痛いとも言わないし、出血もない。

できて当たり前なのである。

フレッシュカダバーの実習などできない日本ではこの日の模型実習が最大のApicoectomy模擬経験となろう。

受講者の感想は以下。


今日のハンズオンで学んだことはApicoectomyの基本中の基本だと思うので、戻って復習して臨床に応用したいと思います。

ここまで詳細を丁寧に指導してもらったセミナーは初めてでしたので、すごく受講して良かったです。

2日間、ありがとうございました。


1日お疲れ様でした。

これからも頑張ってください。

また懇親会の際に、

今日のような内容をどこで習ったのか?USCでか?と質問された。

が、

私はUSCでここまで詳細に習っていない。

なんでもそうだが、子供は親の元を離れる時が来る。

基本的な考え方がずれていないければ、今日やったような内容はUSCで習ったことではなく、卒後に臨床を通じて自分で考えついて身につけたことだ。

したがって時間が経過すると内容は当然変化する。

はっ?そんな無責任な!というあなた。

勉強というのは道が誤っていなければ自分でするものなのです。

誰かに与えられて行うものではないのです。

そして、そんなことに何のエビデンスが必要だろうか?

私は不要だと思われる。

また、今日のこの受講した先生はこの後、某国の歯内療法専門医になって都内でエンド専門医で開業するのが夢だそうだ。

素晴らしいことである。

頑張って欲しい。応援しています。

また機会があれば、お会いしましょう!

夢に向かって頑張って!