紹介患者さんの治療。

主訴は、

数ヶ月かけて治療した左上の奥歯の歯茎が腫れて痛い。硬いものが噛めない…

であった。

歯内療法学的検査(2024.10.15)

#15 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(+), BT(++), Perio Probe(WNL), Mobility

打診痛、咬合痛、圧痛の三冠王だ。

PA(2024.10.15)

CBCT(2024.10.15)

MB

DB

P

以上の3つの絵から推測できることは、根管治療に数ヶ月を要した理由はMB, DBの頬側2根管が石灰化していたからだ。

そして形成ができないという事態に直面する。

その後、心が折れてエンジンリーマーで根管をついてしまったら全く関係のない部分に穴を開けてしまいそのまま時間が経過したというのが流れだろう。

患者さんの痛みに心が傷む。

歯内療法学的診断(2024.10.15)

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: Intentional Replantation

ということで状況を説明し、Intentional Replantationへ移行した。

☆この後、外科動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。


#15 Intentional Replantation(2024.10.15)

臨在歯の#14を梃子にして脱臼して抜歯している。

が、#14はオールセラミッククラウンなので丁寧な抜歯作業が必要だ。

抜歯後に抜歯窩を精査する。

落とし物がないか?抜歯窩を精査した。

ここから口腔外作業へ移行する。

肉芽を除去し穿孔部位の確認を図るが…無理であった。

このことから学べることがある。

後ほど述べよう。

VRFはないと判断した。

ここからApicoectomyへ移行する。

逆根管充填した。

その後、歯冠部から穿孔を封鎖した。

穿孔部にBC sealerを流し、

BC puttyで蓋をする。

その後、レジンで築造した。

硬化までの時間を考えれば、Biodentineのほうが良かったのかもしれない。

が、この時はそれを思いつかなかった。

ということで、PAを撮影した。

問題はないだろう。

再植した。

術後にPA, CBCTを撮影した。

MB

DB

P

Perforation Repair部

問題ないだろう。

さてこのように、

MB,DBが近接しているケースで穿孔を封鎖しようと思えば、口腔内からでなければ不可能だ。外科では(Intentional Replantationでは)、2根が近接しているので穿孔がどこにあるのか?判別ができないからだ。

ということでケースから学べることは多い。

次回は1ヶ月後である。

また報告したい。