以前の歯科医院の患者さん。
30代女性。
他県からの紹介患者であった。
主訴は、
1ヶ月前に左下奥歯に痛みがあった。現在はあまり痛みはないが硬いものを食べた時に少しズキっとした痛みがあるというもの。
かかりつけ医が抜髄根管治療をしているが、M根は穿通しなかったとのこと。
いわゆる石灰化している部分に問題がある症例である。
歯内療法学的検査は以下になる。
#18 Cold+3/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#19 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(++特にMB), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#20 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
PAは以下になる。
近心根の根尖部に根尖病変がある。
そこを押すとかなり痛い(Palp.++)というリアクションであった。
そして遠心根に注目して欲しい。
絶対に外すことができないであろうパラレルなポストコアがセットされている。
初診時にいただいたCBCTを見てみよう。
近心に大きな根尖病変がある。
切断面はイスムスを繋がなければならないようだ。
ということで行うべき治療は外科治療一択となった。
Recommended Tx:Apicoectomy
治療は別日に行われた。(2018.5.21)
処置後7ヶ月後は以下のようになる。(2019.12.5)
7ヶ月後、治療の前にあったPalp.(++)はPalp.(-)に、Perc.(+)もPerc.(-)になった。
また、歯槽骨の吸収も回復傾向にあった。
これが今から約3年前である。