読者の皆さんへ。今日の私のブログには特定の会社の商品が出て来るがその会社から私は一銭の利益供与も得ていないことをここに表明する。
私が普段、診療で用いるファイルはColtenのHyFlex EDMである。
なぜか?最も素早く根管形成が可能だからだ。
ぐにゃぐにゃ曲がるからでしょ?というのは的が外れている。
ただここに書いてあることをそのまま間に受けて診療はしていない。
診療を補助する道具がある。それがProTaperのSXとC+ Fileだ。
ProTaper SX(Dentsply)をなぜ使用するのか?それはSXの先端の形状が最も細いからである。
先端が#19しかない。
ということは昨日のテーパーの話でもした通り、#10のK Fileなら先端から5mm根管に入れば使用可能である。
さてもう一つの武器がC+ File(Dentsply)である。
C+ Fileはサイズが#6,8,10,15と4種類ある。
硬いファイルで穿通用に使用すると言われている。
物理学的な特徴は先端から4mmまでが.04テーパーである。
ファイルの長さは短いもの(21mm)、普通の長さのもの(25mm)、長いもの(28mm.ただし日本では販売されていない)がある。
しかし私にとっては、このファイルで穿通するかどうかはあまり重要でない。
あくまでもこのファイルで私が確かめることは#10.05のRotary Fileを使用しなければならないか否かを判定するだけである。
あなたが根管治療をしてC+ Fileの#10,#8で穿通したとする。
あなたはその次に何をするだろうか?
いや説明書にある通り#10.05のロータリーファイルを使用するでしょ!というあなた。
残念ながら使用する必要はない。
なぜか?作業長(Apex-1mm)でそれぞれ#14, #12だからだ。
#10.05は作業長まで入る。
だから使用する必要がない。
(嘘だと思えば、ハンドファイルのように使用してみよう。作業長まで入って行く。)
じゃあどうすればいいか?
工程表通り直線根管なら#25.08~.04(可変テーパー)を使用する。
湾曲根管なら#20.04を使用し、その後#25の可変テーパーのファイルを使用する。
そして自分が目指す最終号数まで拡大すれば良い。
では#6であれば??
作業長(Apex-1)は#10だ。これは残念だが#10.05を使用しなくてはならない。
つまりここでまとめることができる。
★C+ Fileの#10, #8で穿通→#10.05スキップ。C+ Fileの#6で穿通→#10.05の使用が必要
つまり今や私にとって何がポイントか?といえばC+ Fileの何号で穿通するかどうかだけだ。
#8,10で穿通すればすぐ終わる。
が、#6で穿通するなら時間がかかるだろう。
しかしここで当然質問が上がる。
これに関しては次回の8/23のBasic Courseのハンズオンコースでご教授する。
私は概ね#40.04まで形成し、根管の3/4を#50.03で形成する。
理由はファイルのサイズ、ガッタパーチャのサイズの問題があるからだ。
しかしこれはADAが認めていることなのでどうにもならない。
ガッタパーチャポイントを試適しデンタルを撮影する。
問題がなければ根管充填だがSingle Pointで根管充填する。
私はこの世の中にはContinuous Wave Condensation Techniqueという方法があるらしいがあれはS. FriedmanもいうようにSingle Pointだ。
この患者の作業長は24~26mmだ。どうやってApical Plug 3mm~4mmを作るつもりだろうか?
無理である。
USCでは7~9mmで切れと習った。でもそれじゃあ熱はApical plugの先端には届かない。
どう根充するか?は私にとってもう重要ではない。
それよりそのあと誰がどう修復するかの方が重要だ。
なので私はSingle Pointで根管充填する。
このように根管治療にはColtenのHyFlex EDMは必要不可欠である。