先日のマイクロエンドコースやBasic Courseなどでの受講生からの質問で、MB2がどこにあってどのように形成すればいいのか?というものがあった。
これに関しては既に大昔に一定の結果が出ている。
この図からわかることは、
MB2はあるが、大抵MB1と合流している
という事実である。
これは下顎の大臼歯のM根の合流よりも多い確率である。
ということは、どのように根管形成していくのが賢い方法なのだろうか?
といえば、まずMB2はこの辺にあるよという場所を探す必要がある。
それは昔から多くの臨床家により指摘されている通りである。
(ネットで、MB2 locationとか入れて検索すると出てくる)
MBとPを結んだ線よりも近心側に存在することが多い。その確率は上顎第1大臼歯であれば90%、第2大臼歯であれば60%もあると言われている。
そして6であればMB寄りに、7であればP寄りにMB2があることが多いと言われている。
ということで結論を言えば、
MB2は6にも7にも、いわゆるあって当たり前なのである。
ではMB2が見つかったとしてどのように形成していけばいいのだろうか?といえば決まりはないが最も簡単なのは以下の方法であろう。
☆MB2形成方法
①MB1, MB2をコロナルフレア形成し、MBの作業長を測定する
②MB1を当該サイズまで形成する
③それに準じたGutta Percha PointをMB1に挿入する
④MB2にファイルを入れる。そしてグリグリやる。するとファイルとGutta Perchaが擦れる
⑤ファイル、Gutta Perchaを取り出し、マイクロスコープでGutta Perchaに傷がついている部分を確認する。そこが合流ポイントである。
以下を絵で説明すると以下のようになるだろう。
MB1にGutta Perchaポイントを挿入し、MB2にファイルを入れて穿通を試みる。
ここで大概何かに当たる感じがすることが多い。
これが合流していますということを示しているのである。
根管からGutta Perchaとファイルを取り出し、Gutta Perchaに傷がついたか?を確認する。
するとどうであろうか?
Gutta Perchaの11mmの位置で傷がついていることが確認できる。
ということは、
MB2の作業長は11mmである。
11mmより先を切削する必要性がない。
これに関しては、イタリアの歯内療法専門医のCastellucciのテキスト,Endodontics vol2に全て記載がある。そちらを読んでいただければもっとわかりやすいだろう。
http://www.endocastellucci.it/en/learning/endodontics-en/
ということで、作業長は
MB1=20.0mm(既に形成前に計測済み)
MB2=11.0mm(合流地点までの長さ)
ということに決まるのである。
が、もう一つ重要なのはどこにReference pointを置くか?という事実である。
MB1のReference pointがBだとしよう。
するとMB2のReference pointもBになるので形成がやりにくくなる。
つまりは、MB2の形成がしやすい位置にMB1のReference pointを設定してあげなければならないということを意味している。
ということで、
MB1はMのMB1よりのMで、MB2も自動的にMB1よりのMになる。するとMB2の形成がしやすくなる。
ポイント試適をしている。
当該箇所で合流しているのがわかる。
このように頭を使用すれば難しい?根管治療が短時間で終わるかもしれない。
そしてこの知識は下顎の大臼歯のMB, MLの形成にも応用できるのである。
でもこういうことはなぜか?日本の大学では絶対に習わないけれども。
上記のような話をマイクロエンドコースやBasic Courseでは行なっていく。
上記の文章を読んで???となったあなたは参加したほうがいいかもしれない。
そんなこと知っとるわい!というあなたは参加する必要はないだろう。