先日のマイクロエンドコースやBasic Courseなどでの受講生からの質問で、MB2がどこにあってどのように形成すればいいのか?というものがあった。

これに関しては既に大昔に一定の結果が出ている。

Vertucci 1984

この図からわかることは、

MB2はあるが、大抵MB1と合流している

という事実である。

これは下顎の大臼歯のM根の合流よりも多い確率である。

ということは、どのように根管形成していくのが賢い方法なのだろうか?

といえば、まずMB2はこの辺にあるよという場所を探す必要がある。

それは昔から多くの臨床家により指摘されている通りである。

(ネットで、MB2 locationとか入れて検索すると出てくる)

MBとPを結んだ線よりも近心側に存在することが多い。その確率は上顎第1大臼歯であれば90%、第2大臼歯であれば60%もあると言われている。

そして6であればMB寄りに、7であればP寄りにMB2があることが多いと言われている。

ということで結論を言えば、

MB2は6にも7にも、いわゆるあって当たり前なのである。

ではMB2が見つかったとしてどのように形成していけばいいのだろうか?といえば決まりはないが最も簡単なのは以下の方法であろう。


☆MB2形成方法

①MB1, MB2をコロナルフレア形成し、MBの作業長を測定する

②MB1を当該サイズまで形成する

③それに準じたGutta Percha PointをMB1に挿入する

④MB2にファイルを入れる。そしてグリグリやる。するとファイルとGutta Perchaが擦れる

⑤ファイル、Gutta Perchaを取り出し、マイクロスコープでGutta Perchaに傷がついている部分を確認する。そこが合流ポイントである。


以下を絵で説明すると以下のようになるだろう。

MB1にGutta Perchaポイントを挿入し、MB2にファイルを入れて穿通を試みる。

ここで大概何かに当たる感じがすることが多い。

これが合流していますということを示しているのである。

根管からGutta Perchaとファイルを取り出し、Gutta Perchaに傷がついたか?を確認する。

するとどうであろうか?

Gutta Perchaの11mmの位置で傷がついていることが確認できる。

ということは、

MB2の作業長は11mmである。

11mmより先を切削する必要性がない。

これに関しては、イタリアの歯内療法専門医のCastellucciのテキスト,Endodontics vol2に全て記載がある。そちらを読んでいただければもっとわかりやすいだろう。

http://www.endocastellucci.it/en/learning/endodontics-en/

ということで、作業長は

MB1=20.0mm(既に形成前に計測済み)

MB2=11.0mm(合流地点までの長さ)

ということに決まるのである。

が、もう一つ重要なのはどこにReference pointを置くか?という事実である。

MB1のReference pointがBだとしよう。

するとMB2のReference pointもBになるので形成がやりにくくなる。

つまりは、MB2の形成がしやすい位置にMB1のReference pointを設定してあげなければならないということを意味している。

ということで、

MB1はMのMB1よりのMで、MB2も自動的にMB1よりのMになる。するとMB2の形成がしやすくなる。

ポイント試適をしている。

当該箇所で合流しているのがわかる。

このように頭を使用すれば難しい?根管治療が短時間で終わるかもしれない。

そしてこの知識は下顎の大臼歯のMB, MLの形成にも応用できるのである。

でもこういうことはなぜか?日本の大学では絶対に習わないけれども。

上記のような話をマイクロエンドコースやBasic Courseでは行なっていく。

上記の文章を読んで???となったあなたは参加したほうがいいかもしれない。

そんなこと知っとるわい!というあなたは参加する必要はないだろう。