バイト先での治療。

患者は30代の女性。

以前ご紹介した、#19 Re-RCT 1年後 Recall…根尖病変消失 の患者さんである。

右側の臼歯部もこの患者さんは治療していた。

治療が行われたのは今からおよそ1年前である。(2020.8.19)

#30はRe-RCTし、#29はApicoectomyしていた。

歯内療法学的診査は以下になる。

#29 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(+), BT(+), Perio pocket(WNL), Mobility(WNL)

#30 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(-), BT(-), Perio pocket(WNL), Mobility(WNL)

#31 Cold+3/1, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)

PAは以下になる。

CBCTもバイト先で撮影していただいたが、画像をすいません紛失してしまっている。(後にあれば追加でアップします。)

歯内療法学的診断は以下になる。

#29: Pulp Dx Previously treated, Periapical Dx Symptomatic apical periodontitis

#30: Pulp Dx Previously treated, Periapical Dx Symptomatic apical periodontitis

Recommended Tx

#29: Apicoectomy

#30: Re-RCT+Core build up


#30のRe-RCTから治療を行なっていった。(2020.8.19)

ポイント試適した。

根管充填した。

レジンにて築造した。

この治療後、#29の支台築造のみやりかえた。

その後、#29のApicoectomyを行なっていった。(2020.9.2)

治療に対する見通しは以下になる。

まず#30。

ここは遠心根に根尖病変がある。しかし穿通はできた。治る可能性が高いと思われる。(が、どうなるかは時間が解決する。)

近心根は穿通しなかったが、根尖病変がない。ということはここには特別何かを配慮する必要性というものがない。

ラバーダムをして再根管形成、再根管充填するのが目標である。

鍵は遠心根であったがここは穿通できた。

治る可能性が高いだろう。

そして次に#29.

ここは大きな根尖病変がある。

外科治療で1年で治癒するかどうか?は神様しかわからない。

以下の論文がその理由を示している。

ということで経過観察を行うことになった。


半年が経過した。(2021.3.12)

痛みなどは全くない。

#29,30ともに根尖病変はだいぶ回復してきているようである。


さらにここから半年が経過した。治療後1年が経過している。(2021.9.21)

痛みなどは全くない。

PAは以下になる。

#30,29ともにだいぶ歯槽骨は回復している傾向になる。

が、Incomplete healingという印象を抱いてしまうのは仕方がないだろう。

が、このまま時間を置いて待てばいいのである。(その理由はBasic Course 2022, Advanced Course 2022で解説される。)

治癒を実現させるのは時間である。

ということで1年後の予後を観察することができた。次回はまたしても1年後である。

臨床症状やSinus tractがあればその限りではないが。

全く違和感や痛みがなくなったと患者さんは大喜びであった。

治療した甲斐があるというものである。

このように私は地域で生きる臨床家だ。

誰かのために偉そうに存在している訳ではない。

地域の根尖性歯周炎がもっと減少すればいいのにな、と真剣に思っている。