今週末は博多駅近郊会議室でマイクロエンド&Re-RCT マンツーマンコース 2021.11が行われた。
以前、受講されたのだが飛行機が欠航して1日しかこれなかった方の実習をまず1日目に行い、2日目&3日目で再根管治療の話を実習を行うというものであった。
受講生は昔からの私の知り合いの先生である。
彼には昔大まかに教えているが、彼の感想は
”昔とだいぶ変わった”
そうである。
継続的に学習する重要性を学んだ1日になったかもしれない。
初日の重要なテーマは根管の合流である。
このブログでも今まで再三、述べていたことだ。
それをこの日も充填的に解説した。
なぜなら、もう昔教えているからと講義を省略したのだが以下のような根管充填を無意識で行なっていることが判明したからである。
これを無意識で行なっているというのは、日本の多くの臨床家に当てはまる問題点と言える。
無意識で行うと、以下のような問題が発生する
①合流よりも先の形成が過多になる
②それによりGutta Percha Pointの調整が大変である
③治療に時間がかかり、1回法で終わらない可能性
事実この受講生もGutta Percha Pointの調整に時間がかかっていた。
そして合流するという事実をすっかり失念していた。
したがってもう一度講義をこの部分に関しては行うことにした。
このブログの画像だけ見て、何をやっているのか?あなたは理解ができるだろうか?
理解ができなければ、来年以降、Basic Courseを受講することをお勧めする。
このようなことに関して来年度からはマイクロスコープを使用してハンズオンを行うからである。
理解度が遙かに異なるだろう。
ということで、この後は根管治療を無難に行なっていた。
ちょっと気付けば変わるのだ。
あなたも変わった自分になりましょう。
2日目、3日目はRe-RCTの講義を2日目に、3日目は実習を行なった。
実際の再根管治療をどのように行うか?という話をベースにして講義を行った。
このスライドのPAをみてどのように治療を組み立てるべきか頭に浮かんでくるだろうか?
浮かんで来なければ、これもまた来年以降のBasic Courseに出席する必要があるだろう。
これらに関して解説した。
そして実習を行ったが、この先生は新しく新規開業したばかりで根管治療を施された抜去歯牙があまりなく、結局Initial RCTの実習を行うことになった。
以下の状況の修正が最も学習効果が高いだろうと言える。
遠心根は頬舌的に楕円形根管であったが、受講生は1本のGutta Percha Pointしか根管に入れていなかった。
根管充填後である。
シーラーパフはあるが、遠心根は密に根管充填されているとは言い難い。
これはどのようにして修正すべきだろうか???
論文を参考にしてみよう。
論文の中に以下のような記述がある。
In the case of oval- or ribbon-shaped canals, additional cones were passively placed adjacent to the master cone.
根管の形態が楕円形であったりリボン型であったりする場合は、マスターポイントのみならず別のGutta Percha Pointをadditional conesとして根管に挿入しろとある。
これは根管充填が祖に見えることに対する対抗策だ。
このことを受講生に伝え、もう一度根管充填をやり直してもらった。
以下のようなPAになった。
遠心根の見栄えは良くなったと思われる。
もちろんそれが歯内療法の予後には影響をしないが。
ちょっとしたテクニックであるが、論文に記載されている。
論文を読めばこのように日常臨床を変えることができるのだ。
その意味でも、Current lit reviewは重要と言える。
ということで3日間の訓練は終了した。
この受講生はさらに来年、外科治療のコースも受講する予定である。
ということで3日間の訓練、お疲れ様でした。