脳出血で倒れた私であるが、私にはまだ左の脳に動脈瘤があるそうだ。
それが大きくなっているか?変わっていないか?精査するために今日から3日間、九州医療センターに検査入院する。
今日は血圧測定、採血、身長・体重測定、胸部のレントゲン、脳のCT撮影、脳のMRI撮影が行われた。
CT撮影では造影剤というものを生まれて初めて体内に投入させられた。
その後、担当医の先生が今日の医療行為の内容を説明しに来た。
その先生は中堅どころであったが誠実で良さそうな先生であった。
その彼との会話の中で、私が2014〜2016年までUSCに留学していたこと、2019年に自宅で倒れたことなどを話した。
彼は私の留学話しにかなり食いついて来た。
また医者の学会は歯科医師とは違い、医師の中でも尊重される存在のようだったことがわかった。
夜中に少しだけ?盛り上がったかもしれない。
ということで、9/27(日)に博多駅近郊会議室でBasic Course 2020の3回目の講義が行われた。
今回のテーマは根管充填である。
根管充填は根管治療の最後の局面であるにも関わらず研修会等ではほとんど語られることがない。
その根管充填に関して1日お話をさせていただいた。
- 根管充填の時期
いつ根管充填はしたらいいだろうか?痛みがなくなってからか?それともアグレッシブに1回目から根管充填していいのか?
これに対する答えはあっただろうか?
このように抜髄の場合、またこのスライドのように排膿している場合、どこまで拡大形成すればよかっただろうか??
2. 根充材の位置
根管充填はどの位置まで行えばよかっただろうか?
Root ZXで求めた作業長から何mm引いて根管形成しただろうか?
そしてそれを実現させるためにはどのような厳しい臨床条件が必要だっただろうか??
3. 側枝に対する考え方
側枝があると思われた場合、そこは根管充填する必要があるだろうか?
例えばこのような症例では側枝があることが予想される。
しかし根管充填していなくても治癒している。
ところが、以下のような症例(セミナーでは紹介していない)では側枝に根管充填できている。
どのようにすれば側枝も根管充填できるだろうか??
側枝が原因で根管治療したけれども問題があるのであれば、外科治療で対応する。
外科治療ができなければ歯内療法は行うことができない。
あなたが外科治療をできないのであれば、
①自分ができるようになる(米国の大学院にも行ってないのに?)
②周りのできる先生に紹介する(自費?大学病院?外科が自称得意?なGP?)
③抜歯する
④無視する
という選択肢が出現する。
あなたがいつまでたっても解決方法を提示しないのであれば患者はインターネットで歯科医師を検索するだろう。しかし、同時にあなたは恨まれる?可能性が高いかもしれない。
外科治療ができなければ、歯内療法専門医とは言えない。
やったことないけどとりあえずやってみるか!では患者が迷惑する。
あなたは選択肢を患者から突きつけられているのだ。
4. ガッタパーチャポイント、シーラーの特徴
ガッタパーチャポイントとシーラーにはどのような特徴があっただろうか??
シーラーを用いないと何が問題だっただろうか??
5. 各種根管充填とその比較
色々な根管充填の方法があるが何がベストだろうか?
USCでは垂直加圧(CWCT)をやれと言われていた。
が、アピカルプラグを作成する位置はWL-7~9mmであると言われていた。
これは理想的なCWCTといえるだろうか?
6mmで切断してもアピカルプラグに熱は届かない。ということは、理論的には何mmで切断しなければいけないだろうか??
CWCTは何か面倒臭い。だから俺はLateral Condensationだ!という先生もいるだろう。
Lateral根充で一番重要なことは何だっただろうか??
道具を使用するのであれば、どのような種類のサイズは何号がどのような理由で好ましいと考えられているだろうか?
このCWCTとLCはどちらが理想的な根管充填だろうか?
Friedmanが教授のトロント大学のトロントスタディでは垂直加圧を行うと側方加圧よりも成功率が高くなる(87%vs77%)ことが示されている。したがってこれを根拠に多くの歯内療法専門医がCWCTを根管充填に採用している。
しかし、私は東京でFriedmanと1日一緒に過ごす機会がかつてあった。
そこでの彼の発言は、
「リファーラルを得るためだったら根管充填には気を使うが、患者の病気が治るためだったらレントゲンはケアしない」
というものであった。
また彼は、CWCTはSingle Point根充だからしないとも言っていた。
以下は私の後輩がCWCTをしたデンタルであるが、これは理想的なCWCTだろうか?
これは正しい?CWCTといえるだろうか?
言えないだろう。
なぜか?アピカルプラグが長すぎる。
これは事実上Single Point根充になっている。
そして彼はこの成功率の差を
its importance should be considered as suggestive at best.
と表現している。
これはどのような意味だろうか??
彼との会話で、彼はUSCエンドの大ボスであるI.Rotsteinをトロント大学でレジデントとして教えた経験があり、あいつは俺の弟子だと言っていた。
RotsteinはUSCの中でも保守的な根管治療を行う。
さてFriedmanとの会話の中で彼はTorneckとSabetiの考え方を支持していると語っていた。
TorneckとSabetiの考え方とは何だっただろうか?
彼は3次元的に根管の全てをガッタパーチャポイントで充填しなければならないと言っただろうか??
またSabetiはどうだっただろうか??
以上のことから導き出される結論はどのようなものだっただろうか?
根管充填は根管治療の中でどれほどのウェイトを占めているだろうか?
答えはもうお分かりだと思う。
ということで第3回目も終了した。
また、今年の4月、5月、6月の休講した講義であるが多数決で以下の日程に決まった。
2021年4月18日(日) 生活歯髄療法
2021年5月30日(日) 支台築造、歯内療法処置済み歯の修復治療
2021年6月27日(日) 外科的歯内療法(歯根端切除術)の基礎、受講者による症例発表、修了証授与
この日程で来れない先生は2022年に来ていただければ大丈夫である(私が生きていればであるが)。
よろしくお願いいたします。