バイト先での治療。
患歯は右上7番。
痛くてものが噛めないという。
治療前の検査ではポケットは正常、動揺度も生理的範囲内。
従って、ペリオの問題はない。
打診痛に反応した。
外科治療を行うため、CBCTを撮影した。
頬側には根管充填されていないようだ。
根尖病変が根尖部に認められるので脱臼→抜歯は容易だと思われる。
頬舌側に脱臼させれば勝算は高いと考えられる。
作業時間もそんなにかからないだろう。
ということで#2を脱臼させて抜歯した。
根尖部3mmを切断して断面を観察した。
頬側と口蓋側の中間にもう1根管存在することが確認できる。
したがって歯根と根管の形態が相似形になるため、以下のように逆根管形成した。
BC puttyで逆根管充填し、抜歯窩へ戻す前に充填具合をデンタルで確認した。
問題ないと判断し、抜歯窩へ抜去歯牙を戻した。(かなり大きなレッジが形成されている)
このまま患者には1ヶ月何も噛めないということを説明し、この日の治療は終了した。
投薬はロキソニンのみである。
抗生物質では痛みが取れないからだ。
1ヶ月後に治癒の程度を判定する。そのまま完治する方もいればもう少しかかる人もいる。
動物実験ではないので、人だとどれくらいかかるかは個体差があるが3ヶ月くらい経過は見ればいいだろう。
もちろん問題なければ次回は補綴治療できますということが決定される。
ということで今日もこのようなアクロバチックな治療を行う1日であった。