週末は博多駅近郊会議室でBasic Course 2021 第10回 が行われた。
今回のテーマは本来は生活歯髄療法であったが、保存していたiCloudにログインできなくなりスライドが行方不明に…そのため、予定を変更してApicoectomyになった。
が、本来はこの順番のほうがいいかもしれない。
来年度からは10回目 Apicoectomy、11回目VPT、そして12回目に支台築造を行うことにした。
ということでその術式から振り返ろう。
麻酔をしないと外科治療は始まらない。
その麻酔も何を使用すべきか?厳密に決まっている。
緑のキシロカインが必須である。
これなしでエンドの外科は不可能だ。
どこでどのように入手するか?についても言及した。
そして以下の症例であれば(患歯#19)どういう手順でどのように麻酔をするか?を解説した。
実践的な知識が臨床に生きるからである。
臨床に生きない知識は覚えても意味がないからだ。
麻酔をすれば次は切開だ。
どのように切開するか?を押さえるためにはどこが術野になるか?を知る必要がある。
これを抑えれば後はどういう切開を入れるか?という話になる。
これに関してはエビデンスがない。
(ただしSubmerginalに関しては適応症に関してのみエビデンスがあるが。)
フラップを入れると術後に歯茎が下がるということで嫌がる人がいる。
これも仕方がないことだ。
その理由を説明した。
切開すれば剥離だが、剥離子に関して説明した。
剥離子も使い続ければ鈍になる。
鈍になった剥離子は臨床では使用できない。
研磨するか新品に交換しましょう。
剥離を終えると、根尖部の把握が必要になるがこの際必要なのはCBCTのデータである。
根尖部のどのあたりを削れば良いか?CBCTで予想する必要があるのだ。
1、2、3と行くほど洞窟の中での宝探しゲームになる。
いわゆる難易度が上がるというやつになる。
ここも経験しないと意味不明な医療行為だろう。
根尖部を見つければ次は切断である。
切断方向に関しては90°で切れれば一番良いが、なかなかそれが難しい。
切断量に関しては、歯根の先端1/3を切断するというルールがあるのでゼクリアバーを定規にしてそれを理論的に行うしかない。
ここで重要な知識がある。
実は、どれだけベベルが付こうと、どれくらいの深さ削れば良いのか?という知識があればこの問題は回避できる。
したがって、以下のこの図を覚える必要があるだろう。
たとえベベルがついても2.5mm掘れれば、そして充填できればリーケージはないのである。
であれば、以下のような道具の長さを計測しておく必要がある。
これを参考にすれば、超音波が全て頭が潜れば3.5mmであるので2.5/3.5=70%超音波が潜れれば問題がないと言える。
ということは真っ直ぐ切断が可能か否か?はあまり重要でないということがわかるだろう。
如何に切断するか?よりも如何に逆根管形成するか?を考えたほうがいいというのがわかる。
そして逆根管形成を適切に行うにはポジショニングが重要になる。
これに関しては、どの顕微鏡を使用するか?よりもどうポジショニングを取るかの方が重要である。
普段の臨床を振り返ってみよう。
あなたが上顎の歯のレジン充填の研磨をする時は患者の頭を下げるか?あげるか?どちらだろうか?では下顎は?
これをマイクロで外科を行うため以上の医療行為の反対がマイクロサージェリーでの外科のポジショニングになるのである。
ということでどの会社のどのようなマイクロスコープを使用するか?はそれほど重要なことではないのである。
切断後は逆根管形成を行う。
自分の道具を理解していればそれほど問題がある処置にはならない。
ここでの1番の悩みはふにゃふにゃになったGutta Perchaの扱いである。
これが扱いにくいのだ。
これをどう適切に扱うか?がkeyである。
それにはある道具が必須になる。
あなたはそれをすでに持っているだろうか?ないのであれば購入を強くお勧めする。
そして逆根管充填して治療は終了する。
縫合に関しては、その病理の絵から細くなるべく表面に光沢があるものの方がいいということがわかるだろう。
であれば、どのような材料を選択しないといけないか?は自明である。
そして重要なのはこれらを聞けば明日からApicoectomyができるようになるのか?と言えばそうはならないということである。
あなたがApicoectomyをする時はまずそれに精通している人に話を聞こう。
そしてどのようにマネージメントするかを頭に入れる必要がある。
治療中に
えっと、次は何だったっけ…
では間違いなくその治療はうまくいかないのである。
ということで週末のセミナーは終了した。
次回も近代ビルで行われます。
よろしくお願いいたします。