以前の(博多駅東)の患者さんの経過観察。

若い女性の患者さんで、元々は根管からはみ出たGutta Percha Pointをとってほしい!という主訴であった。

が、そのような必要性がないことはカウンセリングで伝えた。

いずれこの件に関してはブログで公開したいと思う。

話を戻して、なぜこの患者さんはそのような治療が必要になったか?といえば以下のような理由である。


その当時、患者さんが通っていた歯科医院の院長は側切歯の審美歯科医療を強烈に押し進めていたという。

が、左上2は特殊な形態をしている歯であったのだ。

以下になる。

この時点で既に露髄しているだろう。

そしてこの歯の異常な形態にあなたは気づいただろうか?

Dens invaginatus=Dens in Dente(歯内歯)

である。

Oehlerによれば、以下のように分類されている。

本症例はこの中のType Ⅲ bに該当する。

CBCTは以下である。

まず根管治療を行った。(2017.11.16)

Dens in Denteの部分は穿通ができなかった。

さてここから1年が経過するが、前歯が腫れたと連絡を受ける。

確かに…Sinus tractが形成されていた。

1yr Recall(2018.11.8)

CBCTを撮影した。

初診時(根管治療前)よりも状況は芳しくない。

この結果から、Apicoectomyが必要であると説明しApicoectomyに移行した。

#10 Apicoectomy(2018.11.9)

さて。ここから経過を追うはずであったが、私は倒れてしまったのでそれが叶わなかった。

が、患者さんに連絡すると経過を見せてくれた。

処置から4年が経過していた。

#10 Apicoectomy 4yr later recall(2022.4.12)

Apicoectomyした部分にいかなるSinus tractも痛みもない。

ということでCBCTを撮影した。

CBCT撮影 #10 Apicoectomy後 4年経過時(2022.4.12)

外科治療の結果は、Complete healingと言っていい結果であった。

このようにして処置後、4年の経過観察は幕を閉じた。

以下、患者さんの感想。


先生、私の歯をこんなにたくさん(#10,2,15)保存していただいて本当にありがとうございました。

私の歯がこんなに問題なく保存することができてとても感謝しています。

この御恩は忘れません。。。

倒れられた…と聞いた時はかなり驚きました。

先生がいなくなれば、この歯に問題が起きたときに誰が治してくれるんですか…本当にお体には気をつけて頑張ってください。

これからもきちんと見せに来ますので、引き続きよろしくお願いいたします。


この患者さんは他にも驚くべき出来事があった。

それは明日にご報告しよう。

しばらくお待ちください。