紹介患者さんの治療。
主訴は
左上で噛めない。歯茎が腫れた
初診時の検査は以下になる。
初診時(2022.5.18)
#14 Cold+3/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#15 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(-), BT(+), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL), Sinus Tract(+)
PAは以下になる。
CBCTは以下になる。
初診時CBCT(2022.5.18)
大きな根尖病変がある。
もちろん前医はラバーダムをしていない。
私はその人のことを知っているが、その方はそんなことには全く興味がないということもわかっている。
そして驚くべきことは、MBにもPにもメタルポストが挿入されていると言う事実である。
歯科医師の知識レベルはもはやここまで低下しているとは…情けない限りである。
DBの根尖部にも根尖病変がある。そしてここにも律儀にポストコアが挿入されている。
最後がPである。
ここにも大きな根尖病変、そして太いメタルポストコアが挿入されている。
ということで歯内療法学的診断は以下になる。
#15 Pulp Dx:Previously Treated, Periapical DX:Symptomatic apical periodontitis with Sinus tract、Recommended Tx:Core build up with Fiber Post→Intentional Replantation
ここまで根尖部が破壊されているともはや再根管治療は無駄骨である。
Intentional Replantationを提案し患者さんはそれに同意した。
ということで、支台築造してからIntentional Replantationが行われた。
Intentional Replantation時(2022.6.29)
☆以下、治療動画が出てきます。不快な方は試聴をお控えください。
3根がそれぞれ独立して存在しているため、脱臼しなければ抜歯できない。
#14,15の間からラクスエーターを挿入し脱臼させてからダイヤモンド鉗子で抜歯した。
歯牙の状況をcheckしていったが、破折は見られなかった。
ということで、3根別れた歯の根切を行った。
その後、メチレンブルーで染色し、リンデマンバーと超音波スケーラーで逆根管形成を行った。
窩洞の深さが3mmとなったか?CheckをしBC sealer, BC puttyで逆根管充填した。
Lid techniqueで逆根管充填し、PAを撮影した。
問題ないと判断し、抜歯窩へ再植した。
PAを最後に撮影した。
術後に治癒の仕方について説明した。
次回は1ヶ月後である。
またご報告したい。