紹介で治療した患者さんの1年予後。
なぜ歯科治療は時間がすごくかかるのか?歯科に対して不満しかないが‥#19 Re-RCT1回法+Core Build Up
治療した歯は#19(左下6)。
初診は2021.6.10である。
主訴は
1ヶ月前にすごく痛い時があった。今はどうもないが触ると違和感がある
であった。
歯内療法学的検査は以下になる。
#18 Cold+3/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#19 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#20 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
PAは以下になる。
初診時PA(2021.6.10)
CBCTは以下になる。
初診時CBCT(2021.6.10)
再根管治療へと移行した。
作業長を測定したがMBは閉鎖していたが、MLとDは穿通した。MB, MLはともにHyFlex EDMの#50.03まで形成している。
Dはしかしながら根尖部が大きく吸収されていたため、BC puttyでの根管充填を決意したため、超音波での洗浄のみを行ったため、作業長やReference pointやMAFなどを一切測定していない。
ガッタパーチャを試適してPAを撮影した。
すると、ML根から#40.04のガッタパーチャポイントが大幅に根尖にはみ出ていたため、私は#60.04のガッタパーチャ、#50.04のガッタパーチャを14.0mm計測しそれぞれ試適してみた。すると、#50.04のガッタパーチャポイントは#40.04と同じ位置まで(要するに14.0mmの位置まで)ガッタパーチャポイントが入ったことから、これでは先程の#40.04と変わらない‥と感じた私は、オーバー根充させたくないために、#60.04のガッタパーチャポイントを選択し、この号数で根管充填することにした。ヨシダのBio-C sealerを用いてシングルポイントで根管充填してレジンとファイバーポストで築造した。
さてこれで治癒するかどうか?は神様が決めることである。私は神様ではないのでこの歯が今後どうなるか?は予測できない。しかし、うまく行かなければApicoectomyを行うだけである。
ということでこの日の治療は終了した。
さて、ここから1年経過してこの患者さんはどうなっただろうか。
ちなみに1年経過時にあらゆる痛みはない。
1yr Recall(2022.6.27)
1年前と比べてみると、以下になる。
1年前と比べると根尖病変はかなり縮小している。
が、近心根はほとんど変わりがないか
根尖病変がやや拡大&頬側の皮質骨が喪失している感じ
がなくもない。
が、患者さんには症状がないので治療には移行しない。
しかも再治療なので治癒には4年かかる。
経過を見ればいいのだ。
問題が起こればApicoectomyに移行する。
以上を話して1年リコールは終了した。
次回はまた来年の6月である。
そこでまたCBCTを撮影いただいて、初診時と1年リコールの時と比べることが必要である。
と言うことで詳細はまた来年ご報告しよう。