紹介の患者さんの治療。
依頼は
#31の根尖病変の治療をお願いしたい
であった。
歯内療法学的診断は以下になる。
初診時 歯内療法学的診断(2022.11.20)
#29 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#30 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#31 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
患者さんに臨床症状はない。
PAは以下になる。
初診時 PA(2022.11.20)
CBCTもいただいていた。
初診時 CBCT(2022.11.20)
M根
M根は既に大きく拡大されている。
この状況は外科治療でないと改善できない。
次にD根である。
D根
遠心根の遠心には大きな骨欠損がある。
ということは…抜歯が可能である。
もし骨欠損がなければ…抜歯は非常に難しい。
以前のこの治療を思い出してしまう。
意図的再植の”抜歯”に格闘2時間…#31 Core Build up→Intentional Replantationから1ヶ月経過
診断は以下になる。
#31
Pulp Dx: Previously Treated
Periapical Dx: Asymptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: Intentional Replantation
治療はIntentional Replantation一択である。
患者さんは治療に同意してIntentional Replantationが行われた。
まずレジンコアに変更した。
#31 Intentional Replantation① 脱臼・抜歯(2022.11.20)
☆この後、臨床的な動画が出てきます。気分を害する方は試聴をSkipしてください。
この日からカメラの電源が不調でiPhoneで撮影を行なっている。
中心マークのシールがないので画面が見切れるかもしれない。
ご容赦いただきたい。
生食中で歯牙を洗浄し、Apicoectomyを行なった。
#31 Intentional Replantation② Apicoectomy(2022.11.20)
根尖部を3mm切除した。
次に逆根管形成した。
#31 Intentional Replantation③ Retroprep(2022.11.20)
逆根管形成し、3mm Retroprepできているか?Checkした。
問題ないと判断し、逆根管充填した。
#31 Intentional Replantation④ Retrofilling(2022.11.20)
PAを撮影して状況を確認した。
問題はないと思われる。
抜歯窩を洗浄し、再植した。
#31 Intentional Replantation⑤ 抜歯窩洗浄, 再植(2022.11.20)
脱臼して抜歯しているのでなかなか抜いた歯が抜歯窩に収まらない。
抜歯窩の歯槽中隔の骨壁をラウンドバーで軽く削合した。
これで入らなければ…全ての骨壁を除去して治めるつもりだったが、抜歯窩へ容易に戻った。
この後、咬合させたが動揺が若干感じられた。
したがって、咬合させて動揺がおさまらないのであればSuper Bond等で固定する作戦を立てていた。
さあ歯牙は動揺し続けるだろうか?
#31 Intentional Replantation⑥ 再植後Check(2022.11.20)
動揺は見られなかった。
咬合のみCheckして最後にPAを撮影した。
Intentional Replantation後 PA(2022.11.20)
問題はないと思われる。
ということで30分の治療は終了した。
この治療のコツは…抜歯が容易か否かで全てが決まる。
抜歯が容易であれば、ラクスエーターで容易に脱臼できる。
すると簡単に抜歯が可能である。
と言うことで次回は1ヶ月後になった。
またその際の様子をご報告したい。