歯内療法には不思議なことが多くあるそうだ。

何が原因か?わからない時があるという。

そんな時は、私はLight Testを行うことを勧める。

昔、以下のような症例があった。

他院から紹介の患者さんで主訴は

左下奥歯で噛むと痛い

であった。

噛んだら痛いという。

これだけ話を聞くと破折が疑われる。

歯内療法学的検査が行われた。

#18 Cold+3/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#19 Cold NR/20, Perc.(+), Palp.(-), BT(++), Perio Probe(DBのみ 8mm), Mobility(WNL)

#20 Cold+4/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

PAは…前のPAのシステムがなくなったため消失してしまった…従って以前の同意書に掲載していたPAをアップする。

またしてもメタルポストコアだ。

歯の寿命を縮めるものであると私は今は考えている。

M根には病変はないように見える。

D根は…怪しい。

歯周ポケットも8mmである。

ここには何かが潜んでいる。

かかりつけ医にCBCTも撮影してもらっていた。

初診時 CBCT(2018.9.5)

MB

予想通りM根に病変はない。

J-shaped lesionもない。

ここは何もする必要がなさそうだ。

次にML.

ML

MLにも何の問題もなさそうだ。

ということは破折している可能性が高い部分はやはりD根であるとわかる。

D根にはJ-shaped lesionがあるはずだ。

D

が、D根にJ-shaped lesionはなかった。

ここのポケットが深いのはでは何が原因なのであろうか?

エンド→ペリオなのか?

隠れた破折なのか??

それとも他の原因だろうか???

歯内療法学的診断は以下になる。

歯内療法学的診断(2018.9.5)

#19

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: Apicoectomy

推奨される治療はApicoectomyである。

Apicoectomyを実際してみて破折のCheckを行うことになった。


☆以下、臨床的な画像が出てきます。不快感を感じる方は試聴をSkipしてください。


#19 Apicoectomy(2018.9.5)

Flapを開けると以下のような状態であった。

メチレンブルーで染めても何も出てこない。

破折は無いのだろうか?

という局面が臨床では結構あると思われる。

このような時に便利なのは、Light testだ。

マイクロスコープのライトを落として歯牙に光を当ててみる。

この時、破折線やイスムスなどが見えることがある。

患者も驚く歯科治療〜#2 Intentional Replantation

この時便利なのがQ-Opticsである。

先端をFiber Optic Micro Diagnostic Probe

に変更すれば容易に歯牙にライトを当てることができる。

ということで実際に当ててみた。

完全に破折していることがわかるだろう。

別の動画を再度掲載する。

このように破折線が無い!イスムスが無い!という時も慌てずに光を歯牙に当てること(Light test)を私は大いに勧める。

明日から生かしてみよう。(まあ誰もやるわけねえか