先日の記事の続きである。

最少回数で根管治療+Intentional Replantationを終わらせるには?〜湾曲の強い #20 Initial RCT+太いメタルポストコアが入っている #18 Metal Post Core⇨Core build up with Fiber postへの変更

先日の記事(2023.1.23)では#20を根管充填して終了した。

が、この治療には続きがあり、2023.2.15に#18 Intentional Replantationを行ったのでその模様を紹介しよう。

紹介患者さんの治療。

主訴は

#19(左下6)の欠損部にImplant予定だが周囲の問題がある歯を治療したい

であった。

約1ヶ月前に#20の根管治療を終了していたのでこの日(2023.2.15)、#18のIntentional Replantationが行われた。

検査は先日のを引用する。

歯内療法学的検査(2023.1.23)

#18 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(+1)

#20 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#21 Cold+3/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

PAはレジンで築造したのでメタルからレジンに変更されているので再度PAを撮影した。

PA(2023.2.15)

CBCT(2023.1.23)

#18

M

M根周囲の歯槽骨は吸収しているように見える。

脱臼すれば抜歯可能だろう。

D

2根性の歯牙である。

そしてその歯牙の周囲には根尖病変がある。

脱臼すれば抜歯可能だろう。

D根の根尖部には根尖病変がある。

D根周囲の歯槽骨は吸収されているようだ。

破折も考えられる。

歯軸に平行にCBCTを読み取ると以下になる

が、この周囲を回転させると以下になる。

遠心根は根尖部が頬側にフックしている。

抜歯時は頬舌的に脱臼しなくてはならないだろう。

歯内療法学的診断(2023.1.23)

#18

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Asymptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: Core build up with Fiber Post→Intentional Replantation

ということでこの日、レジン+ファイバーポストで支台築造しているのでIntentional Replantationが行われた。

問題は…

隣在歯(#19)が無いという事実である。

#19がないので脱臼だけで抜かなければならない。

それが容易であれば治療は早く終わるが、難しければ時間がかかってしまう。

さて、どうなるだろうか?


☆臨床動画が出てきますので不快感を感じる方は試聴をSkipしてください。


#18 Intentional Replantation(2023.2.15)

歯牙を脱臼させて抜歯した。

それほど時間はかからなかった。

容易な治療になる。

抜歯後、根切しRetroprepを行った。

Lid techniqueで逆根管充填した。

逆根充後にPAを撮影した。

問題はないと思われる。

抜歯窩に再植した。

ガーゼを5分咬合させて、PAを撮影した。

問題はないと思われる。

この日の治療は終了した。

次回は1ヶ月後に動揺等のCheckを行う。

動揺がWNLであれば、プロビジョナルレストレーションの装着を経て2ヶ月後に最終Checkである。

またその日の報告をお待ちください。