紹介患者さんの治療。
主訴は
#19(左下6)の欠損部にImplant予定だが周囲の問題がある歯を治療したい
であった。
歯内療法学的検査(2023.1.23)
#18 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(+1)
#20 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#21 Cold+3/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
主訴はないので検査にも反映されていない。
PA(2023.1.23)
#18は既根管治療歯で、#20は断髄だけしている歯である。隔壁も作成してもらっていた。
が、#20には根尖病変がある。そして湾曲も大きい。
また、#18の根尖病変の有無はPAだけではわからない。
CBCT(2023.1.23)
#18
M
M根周囲の歯槽骨は吸収しているように見える。
脱臼すれば抜歯可能だろう。
D
2根性の歯牙である。
そしてその歯牙の周囲には根尖病変がある。
脱臼すれば抜歯可能だろう。
D根の根尖部には根尖病変がある。
D根周囲の歯槽骨は吸収されているようだ。
破折も考えられる。
歯軸に平行にCBCTを読み取ると以下になる
が、この周囲を回転させると以下になる。
遠心根は根尖部が頬側にフックしている。
抜歯時は頬舌的に脱臼しなくてはならないだろう。
次に#20を見てみよう。
#20
#20はフックが強いがまだ誰も根管治療はしていない。
病変はあるが成功率は90%あるだろう。
この歯の病変を治癒させることができるチャンスは高い。
歯内療法学的診断(2023.1.23)
#18
Pulp Dx: Previously treated
Periapical Dx: Asymptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: Core build up with Fiber Post→Intentional Replantation
#20
Pulp Dx: Previously initiated therapy
Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: RCT
#18はIntentional Replantation、#20はRe-RCTとなった。
が、
#18のメタルポストコアはレジンコアに変更が必要だろう。
ということで1日目は
#18 Core build up with Fiber Post
#20 RCT
となった。
Intentional Replantationは次回行う予定である。
☆この後、臨床的動画が出てきます。気分を害する方は試聴をSkipしてください。
まず#18のクラウンから除去した。
クラウンを除去するとメタルポストコアが顔を出した。
セメントを除去し、ラバーダムをかけてポスト除去へと移行した。
近遠心的に半分に切断し、VP tipを当てて振動で除去する。
Pathways of the Pulpに記載の通りである。
アクロバティックなことはしていない。
詳しくはBasic Course 2023で説明する。
最後に支台築造した。ファイバーポストも使用している。
この後、#20のRCTに移行した。
ラバーダムをかけて根管形成している。
作業長等は以下になった。
WL=20.5として根管形成を#25.V→#40.04まで行い、#35.04でBC selalerで根管充填した。
#35.04のGutta Percha Pointを使用してBC sealerとともにSingle Point根充した。
術後にPAを撮影した。
PA(2023.1.23)
ということでこの日の治療は終了した。
次回は半年後である。
そこで問題がなければ最終補綴で構わない。
この日の治療は終了した。
次回は2023.2半ばに#18 Intentional Replantationを行う。
その模様はまたお伝えします。