前回の記事の続編である。

治療した歯はいきなり”取れないのか?”〜#31 Intentional Replantation

実はこの治療の4日後に、患者さんが来院された。

理由は、

治療した歯が痛くて痛くてたまらない…仕事もできない。。。

である。

現れた患者さんはもう泣き顔であった。

さあ、あなたはこのような時に何をするだろうか?

実はこのようになる時がIntentional Replantationにはある。

が、Intentional Replantationには文献がほとんどないので行う治療は主観的になりやすい。

客観的に何かするのであれば何だろうか?

過去の

Becker 2018 Intentional Replantation Techniques: A Critical Review

の文献を見ると以下のような一文がある。

Relief of the reimplanted tooth from occlusal contact was near unanimous, although a few recommended no adjustment or only ‘‘as needed.’’

咬合接触させないということは、必要ならば行う、という考えの人たちを除き満場一致である

とある。

つまりまずは咬合のCheckを行う必要がある。

BTは高いだろうか?


☆以下、治療動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。


#31 Intentional Replantation 4days Recall(2023.3.13)

いかなる咬合接触も取り除いた。

これでも痛みがあれば、連絡してくださいと患者さんには告げたがそれから時間は2ヶ月経過していた。


#31 Intentional Replantation 2M recall(2023.5.15)

歯内療法学的検査

#30 Cold+1/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#31 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL), Sinus Tract(-)

術前にあった#31のPalp.(+), BT(+),  Sinus Tract(+)は消失していた。

治療が奏功している。

検査の結果は全て陰性である。

いかなる痛みもない。

動画を見ていただければそれがわかるだろう。

また、PAも撮影した。

ということで、めでたく最終補綴へ移行できる。

が、プロビジョナルレストレーションの装着はしたほうがいいだろう。

ということで、2ヶ月の経過観察が終了した。

次回は4ヶ月後の2023.9に#31 Intentional Replantation 6M recall予定である。

さて。

この治療から我々はある知見を得ることができると思われる。

それは、

Intentional Replantationした歯は咬合接触をさせない

という事実である。

が、これにはまだ奥があると私は睨んでいる。

その “奥” はいずれご紹介しよう。