紹介患者さんの経過観察。
当時の主訴は
痛くて硬いものが噛めない
であった。
歯内療法学的検査(2022.5.20)
#12 Cold+3/3, Perc.(-),Palp.(-),BT(-),Perio Probe(WNL),Mobility(WNL)
#13 Cold NR/20, Perc.(-),Palp.(-),BT(++),Perio Probe(WNL),Mobility(WNL)
#14 Cold+2/5, Perc.(-),Palp.(-),BT(-),Perio Probe(WNL),Mobility(WNL)
PA(2022.5.20)
CBCT(2022.5.20)
CEJからApexまでの長さが11mmである。
そしてApexから3mmの位置で切断したいが…頬側に垂れ下がっている上顎洞底が邪魔で切断できない。また、頬側の皮質骨も邪魔だ。ここを削除してApexを切って、上顎洞底粘膜が破れないように注意して…注意事項が多すぎる。もっとシンプルにするにはどうすればいいだろうか?
歯内療法学的診断(2022.5.20)
Pulp Dx: Previously Treated
Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx:Apicoectomy?or Intentional Replantation?
単根でフックもない根尖部を有する歯根なので、Intentional Replantationを選択した。
患者さんは治療に同意したため、治療へと移行した。
☆この後、臨床的動画が出てきます。気分を害する方は視聴をSkipしてください。
#13 Intentional Replantation(2022.8.30)
術後にPAを撮影した。
さて。
ここから時間が約1年経過した。
#13はどうなっているだろうか?
#13 Intentional Replantation 1yr recall(2023.7.1)
歯牙に動揺などはない。
痛みもない。
全ての臨床症状が喪失した。
WNLになったのである。
CBCTでも歯槽骨の大幅な回復が見られた。
根尖病変は消失し、歯槽骨が回復した。
過去の病気は完全に消失している。
これが
Intentional ReplantationのPowerである。
ということで最終補綴へ移行してもらうようにかかりつけ医に報告した。
次回は来年、1年経過してのRecallである。
また、皆さんにご報告します。