9/15(日)はまつうら歯科医院でAdvanced Course 2024 第4回が行われた。
この日のテーマは
Case Report
術前のApicoectomy, Intentional ReplantationのCBCTの分析について(実習)
根の切断に制限がある場合のApicoectomy
抜歯困難な歯に対するIntentional Replantationの方法について
Autotransplantation
である。
CaseはAdvancedであるので全て外科治療をセレクションしている。
このHPに掲載されているものばかりだろう。
それぞれの鍵をよく復習しましょう。
次にCBCTの分析方法。
これは実習であるが、実習前に見せられる絵にするにはどうすればいいか?を解説した。
これはUSC時代にDr.Schechterから教わったことで教科書にはない。
セミナー参加者はこの絵にする調整方法の秘密?を理解できただろうか?
この調整ができなければ、外科治療の計画は立てられない。
このように調整して初めて、各部を計測できる。
上記のように、
他人に見せれる絵になって初めて外科治療の計画が立てることができるようになる。
では、これらの一連の絵から、この#3のApicoectomyは簡単にできるだろうか?それとも非常に難しいだろうか?
そしてそうあなたが思う理由は何だろうか?
そう思った理由がなければ、
理解ができない
ので、
判断ができない
だろう。
全ては理解からはじまるのである。
それにどこの大学出身であるか?など無関係だ。
これらは治療計画立案実習でも必須の知識であるのでぜひ身につけてほしい。
次に歯根の切断に制限がある場合のApicoectomyの方法について解説した。
これは教科書にはないことである。
このCaseは大きく3つのタイプに分けられる。
そして文献をそれぞれに当てはめると、
どういう理由で、
どういう方法で行えば、
問題がない結果が得られる
だろうか?
それぞれよく復習しましょう。
そして次に、抜歯困難な歯に対するIntentional Replantationの方法についてを解説した。
抜歯困難な
という言葉は分類すれば以下になる。
健全歯質がほぼなければ、Intentional Replantationは行うことができない。
以下のCaseだとあなたはどうするだろうか?
Intentional Replantationを行うには、
歯牙を脱臼させなけれればならず、それができないとすれば、その後の歯牙は根尖病変は治癒するが、長く機能しない歯牙になる可能性が高い。
しかしながら参加者の先生のそっち方面に詳しい先生の、
骨補填材で増生された骨は、元の骨に比べて質が劣ることがあり、その結果は骨補填材の質に大きく左右される
という事実を聞いた時に、
それなら無理にでも、Intentional Replantationにトライした方がいいのではないか?と思いを変えたのはいうまでもない。
いずれにしても、
脱臼しなければIntentional Replantationは難しい
という事実はいう前もないことである。
これにどうトライしていくか?はなかなか難しい問題が多い。
次に上顎第一大臼歯の根尖病変なしパターンについて解説した。
こうなってくると、もはやIntentional Replantationしか手がないというのが事実であるが、それを行うのは非常に難しい。
特にどうやってこの3根に分かれた歯牙を抜歯するか?だ。
これは非常に難しい。
この手の治療の鍵は以下だ。
に、してもだ。
抜くのも難しければ、再植するのも難しい。
アンダーカットを超えて抜歯しているからだ。
そのような場合の再植するコツはある道具を使用することであったが、あなたは所持しているだろうか?
口蓋にあった術後の隙間(P根を根切してできた物理的なスペース)が1年経過すると、消失しているのがわかるだろう。
このように、CBCTは歯内療法では必須のものであるということがわかる。
もし術後のCBCTを撮影できていれば…かえすがえす、この時代の当歯科医院の環境を後悔するしかない。
次に、下顎第二大臼歯で2根タイプ+根尖病変なしの再植に関して解説した。
事実、抜歯までに2時間を要した。
過去最長である。
こんなことにならないようにするには、
治療のルールの厳守が大事だということを忘れないでもらいたい。
あなたが仕切れるのはたいした空間ではないのだから。
最後に、親知らずがある場合のIntentional Replantationについて解説した。
脱臼したいが#32が邪魔である。
PAやCBCTだけ見ていると、#32が邪魔だな…という話になる。
さあ、あなたはどう判断しますか?
この症例に関しては後日、Caseを出して皆さんには解説いたしましょう。
最後に、自家歯牙移植について解説した。
以下は根未完成歯の場合の自家歯牙移植の成功率と生存率である。
これが成人(根完成歯)になると、81%まで低下する。(Machado 2015 Long-term prognosis of tooth autotransplantation: a systematic review and meta-analysis)
が、AutotransplantationはImplantと治療内容が変わらないので私は一切手をつけていない。
私がそれに関与するとすれば、根管治療だけだ。
Caseを解説した。
GBRしてからAutotransplanttaionを行うとすれば、以下のようなバーを使用しなければならないので治療がハードになってしまう。
抜歯してのGBRにも欠点があるから尚更だ。
T-FIX時のSuper Bondが血液に付着しているじゃないか!という解説をすると、
ス ー パ ー ボ ン ド を 質 面 に 塗 布 し 、3秒後にヒト の血液中に浸 漬した場合でも、界面に血液が浸入することはなかった。したがって、 象牙質面にスーパー ボンドを塗布 したのちに、 スーパーポンドが硬化するまで血液に触れないように止血しておくことには利点はない
という貴重な話を聞いた。
その先生はそれがあるので、ApicoectomyにもかつてはSuper Bondを使用していたという。
研修会で人から学べることは多いと改めて感じた。
ということで1日は終了した。
よく復習して、自分のものにしてください。
1日、お疲れ様でした。