バイト先での治療。(2021.7.8)
以前の歯科医院での患者さんだ。
患者さんは30代男性。
主訴は治療した部分(#31, 右下7番)が痛む。
2018.12.13に再根管治療をしている。
当時の歯髄の診断は以下になる。
#30 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#31 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(+), BT(-), Perio probe(MBのみ5mm), Mobility(WNL)
PAは以下になる。
初診時にはSinus tractがあった。
歯内療法学的診断は以下になる。
Pulp Dx: Previously treated
Periapical Dx: Chronic apical abscess
Recommended Tx: Re-RCT
患者さんは保存を強く希望したため、私の推奨通り、再根管治療となった。(2018.12.3)
しかし…
ポストコアを除去すると、遠心根にはクラックが入っていた。
(当時の画像はすいません、大人の都合で私の手元にない。)
ということで当時のカルテにはこのように記されていた。
しかしながら患者さんはインプラント嫌いで、
(日本人の大半はインプラントが嫌いだ。)
D周囲の歯周ポケットが正常の範囲内であったので、
保存を希望されたため、再根管治療を継続して行なった。(2019.1.23)
治療の内容は以下になる。
遠心根はGutta Perchaがはみ出てしまった。
作業長の設定ミスかテクニカルエラーなのかもしれない。
何れにしても、支台築造をレジンで行なった。
さて、この2ヶ月後に私は倒れてしまい、この患者さんの予後は追えなくなった。
が、今回それを見ることができたのである。(2021.5.11)
MBの歯周ポケットは回復していた(WNL)が、DBの歯周ポケットが8mmであった。
根尖部まである歯周ポケットだ。
これはVRFが疑われる。
私は患者さんに、
#31は
①VRFの可能性が高い
②VRFであれば、遠心根は抜歯
③もしくは#31そのものを抜歯
と言う選択肢を提示した。
また、#31が抜歯となると再後方臼歯は#30である。
しかし、#30はお世辞には良い状態とはいえない。
したがって、#31を抜歯かどうか決める前に#30の再根管治療が必要である
と説明した。
患者さんは#30の再根管治療を受け入れたため、再根管治療を行うことになった。(2021.7.8)
治療の経過は以下になる。
ポイント試適のPAは以下になる。
MBはMLに合流していたため、以下の画像のような方法で合流部位まで測定し、作業長を求めている。
MLを先に形成して、MLに当該Gutta Perchaを挿入する。
その後、MBにファイルを入れてグリグリやる。
すると、MLのGutta Perchaに傷がつく。
そこが合流地点だ。
傷がついた場所が14.0mmであった。この場合は引かずにそのままの長さが作業長となる。
合流までこれも#50.03までで形成した。
そして根管充填に使用したGutta Perchaは#40.04である。
なぜだろうか?
その理由は、Basic Courseに出席すればわかる。
ということで合流までを形成し、この後根管充填、支台築造となった。
そしてPAを撮影した。
ということで再根管治療は1回で終了した。
1回で終了できなければ、プロ=専門医とはいえない。
なので絶対に1回だ。
2回はExcuseになるので私はRegenreation以外の治療で2回かかることはない。
ということで再根管治療は1回で終了した。
#31に関してはこの歯科医院の歯周病専門医が見ることになるだろう。
抜歯か?
保存か?
は
歯周病専門医の意見も仰ぐ必要がある。
保存であれば、私は再度登場する予定である。
しかし、最後から2番目のPAを見ると現時点でVRFが既に起きているものと考えられるが…
この次は治療が何もなければ半年後である。そして1年後。
この治療前のPAと比べてまた報告したい。