紹介患者さんの治療。
主訴は、
歯茎が腫れて痛い。どの歯科医院に行っても歯が折れていると言われる…なんとか残せないだろうか?
である。
どの歯科医院に行っても、歯が折れている
と言われるという。
が、以前から述べている通り
歯牙が破折しているかどうか?は抜歯して直視しないとわからないのである。
それを私は患者さんにまず告げた。
その上で検査を行っている。
⭐︎この後、検査動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
#15 Intentional Replantation(2025.6.5)
根管形成を全くせずにクラウンが装着されている。
これでは、病気がどうこう以前の問題だろう。
ML
MB
D
D根の根尖部は舌側が歯槽骨吸収している。
構成画像で見ると、
こうである。
さあ、あなたはこの歯を残すか?抜くか?どっちだろうか?
どっちでも…
抜いた時に歯牙をよく観察すれば、その際に破折線が確認できなければ、
Root resectionして、
Retro Prepして、
Retrofillして、
Replantationすれば、
歯槽骨が回復する可能性が2年で88%ある
そうした治療にかけるか?さっさと抜いてネジに変えるか?の二択である。
あなたはどちらがいいだろうか?
私なら、
まずやってみて、その結果、歯根が折れているようであれば、抜歯であると告げるだろう。
そこに正当性があるかどうか?は施術者でなく、患者さん自身が決めることなのだから。
Pulp Dx: Previously treated
Periapical Dx: Chronic apical abscess
Recommended Tx: Intentional Replantation, Core build up
ということで、同日治療へ移行した。
⭐︎この後、外科動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
#31 Intentional Replantation(2025.6.5)
まず除冠した。この際、ドライバーでクラウンを揺らすと歯牙が動揺したため、まず抜歯して破折の有無を精査し、破折がなければ治療を行い、支台築造は口腔外で最後に行うことにした。
ここから口腔外作業である。まず破折していないか?精査した。
破折線は見当たらない。
そう、この歯は折れているわけではなかったのだ。
口腔外で精査しないと破折の有無は精査できないことがこのCaseでもわかるだろう。
根切した。
逆根管形成した。
逆根管充填した。
最後に口腔外で支台築造していく。
そこはまさに…最高の防湿環境だ。
Screw Pinは以下のようにして除去していく。
いかなる教科書の記述よりもわかりやすいだろう。
レジンコアの残渣は以下のようにレジンを薄く削ればあとは物理的な力で取り除くことができる。
ラバーダムせずに築造しているからだ。
口腔外で支台築造し、形成し、PAを撮影した。
問題はないだろう。
抜歯窩に再植した。
咬合調整後にPA, CBCTを撮影した。
これがどれだけ治癒するか?は、時間が必要だ。
また1ヶ月後の模様をお伝えしたい。