Apicoectomyは

Apexから3mmの歯根を切断し、

メチレンブルーで染めて、

歯髄部分を含む細菌感染した軟組織を逆根管形成の超音波チップでクリーニングし、

封鎖性の高い、生体親和性が高い材料で封鎖する治療で、

その成功率は我々の業界では、

90%

であるというのは知られたところだ。

が、Apicoectomy, 特に上顎大臼歯MB根に対しては以下のようなエラーが生じることがある。

 

Advanced Course 2025の第9回でもこの話になった。

Advanced Course 2025 第9回〜Endo-Perio, Endo-Ortho, Tooth Fracture, 失敗ケースから学べること, Instructor Presentation

こうした予後不良ケースは何に起因しているのだろうか?そして, どうすれば, 予防できるのだろうか?

別ケースで説明してみたい。

非外科的な治療が奏功しなかったため、Apicoectomyが必要である。

が、だ。

ここで注意すべきポイントがある。

3mmで切断した際のMBの断面は下図だが,

#13に引っ張られると, 以下のように逆根管形成してしまう可能性がある。

上記ケースの失敗がまさにそうだ。

私は別ケースでもこれをやらかしていた。

以下だ。

Pre-op(2024.10.28)

以下のように計画を立てて、

治療に臨むが、

このようになり、術後1年でかかりつけ医から歯茎が腫れたと言われ以下のようなPAが送付され、

当歯科医院で検査し、CBCTを撮影すると、

このようなしょっぱい内容(MB2はおろか、MB1も逆根充できてない)になっていた。

さて。

なぜこのようなことがおきるのだろうか?

この理由は、2つだ。

一つは、#14 MBに正体できず(言い換えれば、12時の位置で上顎第1大臼歯MB根の外科ができてないということである)、#13の方向に引っ張られていることに起因する。

これがミステイクにつながることが多い。

上記ケースでも、

小臼歯に引っ張られて形成がMB2をカバーできなくなっている。

そこで以下のようにさらに根を切断して, 修正している。

この6ヶ月後、Sinus tractは消失した。

こうしたミステイクを犯せば、更なる根の切断が必要不可欠だが、ここで懸念事項がある。

それは、

頬側の健全皮質骨を意図的に削除し、喪失させれば、Apico-Marginal Bone Defectができるのではないか?

という懸念点である。

これが起きると、歯肉が下がり、歯根が口腔内に露出し、ペリオの問題が惹起される可能性がある。

したがって、あまり落としたくない。

もしも、落としてしまった場合は、患者さんに術後、清掃をあらかたきちんとやってもらう必要があるだろう。

以下の2つのケースでもそれが表れている。

Apico-marginal defect=歯肉退縮ではない?術後早期の創傷環境が鍵となる可能性。。。〜#3 MB Apicoectomy 6M recall

Apico-Marginal Defectを人為的に作成すると…〜#14 Intentional Replantationとその1yr recall

では、どうすればそれが防止できるのか?だが、やはりポジショニングだろう。

理想的には以下のように上顎前歯にApicoectomyをするようにオペを行いたい。

が、口角が異常に硬い患者ではそれがままならない。

つまり、近心側寄りにしか外科のアクセスができないということになる。

上顎前歯のような位置で外科ができないのである。

ではこの口角の硬い患者さんのケースではどう対応しただろうか?

これはポジショニングに尽きると思われる。

以下のように、

#13に平行に形成ができるような位置にポジショニングをとり(そこを探す), 

ミネソタリトラクターを術野において, Retroprepを行った。

すると…

問題なく、Retroprep, Retrofillができている。

そのコツは?と言えば、

外科時のポジショニング(理想的に取れない場合は、上顎第2小臼歯と平行になるような位置を探し, Retroprepする)と, 

術前のCBCTによるMBの上顎第2小臼歯との比較,

である。

このように, 上顎大臼歯MB根のApicoectomyは注意が必要である。

という今日はごく一部の?歯科医師向けの記事でした。