以前の(博多駅東)歯科医院の患者さんの経過観察。
この方も、まつうら精密歯科医院時代の患者さんである。
福岡市内で自営業をされている方である。
昔から私が治療していた。
駅東に移転する前の長住時代からの患者さんで、経過を長くみていた。
初診時は以下になる。
主訴は、何もない。定期検診であった。
初診(2016.12.5)
歯内療法学的検査を行った。
すると不思議なものを私は見つけるのである。
PAは以下になる。
犬歯に大きな虫歯だ!と思ったあなた。
これは虫歯ではない。
これは外部吸収である。
歯内療法専門の歯科医院にはよくこうした患者さんが来られることが多い。
Heithersayのこのような絵をあなたは見たことがないだろうか??
具体的にはCBCTで状況を把握をするしかないのが実情である。
ということで、CBCTを撮影していただいた。
どうやら露髄は避けられそうにない感じである。
根管治療はしないといけないだろうが、単純な欠損の修復で終わりそうな感じはする。
外科処置をやってみなければ何とも言えないが…
と言うことで治療は
①根管治療
②支台築造
③外部吸収のリペア
と言う流れになった。
患者さんが同意したため、治療が行われた。
まず根管治療が行われた。(2016.12.27)
根管充填し、支台築造した。
この後、外科治療により外部吸収のリペアが行われた。
90% TCA
で破骨細胞を化学的に焼却している。
機械的に細胞を取り除いている。
エッチングしてプライマーしてボンディングして、Geristoreで充填している。
Geristoreとはレジンモディファイドグラスアイオノマーセメントの仲間であり、外部吸収などで使用していた。
が、別の症例で充填したGeristoreの落下という悲しい出来事がありそれから使用を控えている。
(今なら、Bioceramic系の材料を用いるであろう)
エッチングしてプライマーしてボンディングして、Geristoreで充填した。
外科後にPAを撮影した。
さてここから経過観察に入った。
処置後1年後の状態である。(2018.1.22)
痛みも何もない。
PAは以下になる。
またこの後、1年後にリコールする予定であったが私が倒れたためできなくなってしまった。
が、患者さんに連絡すると状況を見せていただけた。
実に、初診から6年経過していた。
6yr Recall(2022.2.7)
臨床症状は何もない。
PAは以下になる。
治療前後の比較写真
ペリオの問題も出ていなかった。
6年経過したが安定している。
この処置が無駄ではなかったと言うことを示していた。
以下、患者さんの感想。
先生、お元気でしたか!
倒れたと聞いてびっくりしました。
先生が倒れたら誰が私の歯を診るんですか…
健康には気をつけていつまでも頑張ってください。
また来ますからよろしくお願いします。
と言うことで新たな吸収などは出ずに安定していた。
この状況が来年以降も続くといいと思っている。
長い患者さんが増えてきた。
ようやく世間にものを言えるレベルになってきたと言うことであろう。
これからも逐一このような症例をご報告いたします。
よろしくお願いいたします。