当初この日の午前中は患者がいなかったのだが、急に患者さんが入った。
患者さんは同業者で私によく紹介をしてくださる先生だった。
主訴は、
”自分で抜髄してみようと思ってやってみたが、できなかった。激しい痛みは夜一度あったが今はもうない。先生に根管治療をお願いしたい。”
歯内療法学的検査は以下になった。
#19 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#20 Cold+3/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
PAは以下になった。
診断は以下になる。
#19 Pulp Dx: Previously Initiated Therapy, Periapical Dx: Normal
Recommended Tx: RCT+Core build up
推奨される治療は根管治療である。
根尖病変もないようなので治療の成功率はきちんと行えば90%程度と高いことは過去の論文から分かるとおりだ。
そして極力、1回法で終わらしたい。
ということで念のために、
治療前にロキソニンとカロナールの飲んでいただき、根管治療へと移行した。
RCT+Core build up(2022.6.15)
治療内容は以下になった。
以上をどうやって確かめたか?といえば、それはCastelucciの教科書(Endodontics Vol 2)を見るか、もしくはBasic Course 2023または、マイクロエンドマンツーマンコースに来てくだされば直接教えます。
が、上記の教科書を買えばそこに載っている話なのでそれほど難しいことでもない。
少し話を広げれば、
また、MLとMBは交通していないと判断した。
根管形成中もMLにGutta Percha Pointを入れてMBにC+ファイルを入れてでグリグリやったが、Gutta Percha Pointに傷がつかなかったことからそれぞれ独立している根管であると判断した。(下の写真でそう判断している)
ポイント試適した。
が、口腔内が非常に狭い患者さんで試適のデンタルが極めて撮りにくかった。。。
これが最もまともなPAだった。。。とexcuseさせてください。
まだまだ修行が足りません。。。
ということで問題ないと判断してBC sealerを用いて根管充填した。
☆以下、治療動画が出てきますので気分を害する方は試聴をskipしてください。
溢れたBC sealerはスリーウェイシリンジで洗い流した。
サンドブラストは…使用していない。
患者の顔周囲にかかるからだ。
何か革命的な方法が見つかればいいが、何もこの分野に関しては見つかっていない。
誰かご存知の方がいればご一報いただきたい。
CBCTを撮影できればいいが、根管治療(初期治療)なのでそこまで必要ないと判断している。
そして最後に支台築造した。
咬合調整し、最後のPAを撮影した。
ということで根管治療は終了した。
この後、患者さんから治療に関するメールをいただいた。
ということで問題なく補綴治療へ移行できると思われる。
ちなみにこれは1回法である。
痛みがあるのに根管治療を1回で終えていいのか?という人が数多いる。
信じられないのであれば、その手の学習をしてみよう。
私は、USCで極力1回で治療を終えるように教育された。
その方が患者のメリットも大きいし、時間の節約になるからだ。
もちろんそのためにはどうやって早く終われるか?という追求が必要だろう。
その追求無くして根管治療が時短になることはない。
1根管1万円です!では明るい未来は来ないだろう。
話を戻して、1回法は配慮のない治療なのか?といえば、1回で根管治療を終わらせることができるので患者さんには大きなメリットがあるだろう。
そして次の多くの質問が、1回で根管治療を終わらせてもいいのか?であろうが、かまわない。
なぜか?
その理由を知りたい方は、これもまたBasic Course 2023でお待ちしています。
次回は最終補綴装着後にPAを撮影して終了する予定である。
その模様は…もう少々お待ちください。