紹介患者さんの根管治療。
紹介先からの依頼治療であり、本人に主訴はない。
歯内療法学的検査を行った。
#14 Cold+2/5, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#15 Cold++5/1, Perc.(+),Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
PAは以下になる。
CBCTは以下になる。
MB
根尖病変はないし、この歯は抜髄の歯である。
感染がない。
MB2は、この歯にはおそらくあるだろうが必ず見つけなければならないものだろうか?といえば私にはそう思えない。
ということでこの歯に関してはこれ以上の探索は不要だろう。
また、シーラーパフすると上顎洞へシーラーが迷入するので予期せぬ事態が起きる可能性があるので私はここは作業長はRIL-1mmとする。
DB
この歯の臨在歯の#16は何と抜歯に1日!かかったという。
そしてそれが丁寧な処置であれば問題がないが、この歯には既にダメージが与えられている感じがする。
シーラーの溢出が側方に起きるかもしれない。
最後がPである。
P
口蓋側には根尖部に病変がある可能性が高い。
別のCBCTでは以下のようであった。
歯髄を何とか保存しようと直接覆髄を試みている。
修復はジルコニアインレーである。
が、このジルコニアインレーの適合が著しく悪い。
また歯牙の予後のことを考えれば最後方臼歯はインレーではなくクラウンが無難である。
また一度歯髄を保存する治療をしているので既に石灰化が起きている。これは現在進行形かもしれない。
それがひどければ穿通できないので予後不良になる。
であれば、ここでそれをStopさせてやった方がいい。
やるならば根管形成・根管充填はApical Foramenに近い方がいいだろう。
ということで診断は以下になる。
#15 Pulp Dx: Asymptomatic Irreversible Pulpitis, Periapical Dx: Normal, Recommended Tx: RCT+Core build up
患者さんは治療計画に同意して根管治療が始まった。
ジルコニアインレーに穴を開けて根管治療を行った。
☆以下、治療動画が出ますので不快感を感じる方はskipしてください。
#15 RCT+Core Build up(2022.7.27)
既に歯髄を覆罩しているのでこの歯に石灰化が起きていることは避けられない。
いかがその証拠である。
以下のように根管形成・根管充填を行った。
が、開口量が少ないことと根管の位置が普通の歯と異なっていたため非常に根管治療がやりにくかった。
が、
柔軟性が極めて高い某材料
を用いるとそれほど問題がない治療ということになる。
もちろんその材料とはあれだ。(言わなくてもわかりますね??)
ポイント試適した。
BC sealerを用いて根管充填した。
問題はないと思われる。
が、Intentional Replantationは辛いかもしれない。
そうならないように願いたいものである。
ということで長い治療が終了した。
次回は半年後にRecall予定である。
またご報告したい。