他院から紹介の患者さん、と言ってもかつての私の患者さんである。

私はかつて福岡市東区でGPで開業していた。

まつうら精密歯科医院…その時の患者さんだ。

治療したのは患者さん曰く、2009~2010年ごろだったという。

今から10年以上前だ。

14枚法的なPAを久々に撮影させていただいた。

ちなみに治療費は?・・・¥0である。

なぜか?それはかつて私が根管治療または修復治療したからだ。

それとかつて(2017年)治療した右下臼歯部のリコールをさせていただいた。

主訴は

気になるところ、痛みがあるところなどはない

ということであった。

全顎的な写真を撮ると以下になる。(下顎前歯以外は撮影している)

治療した右下は初診の時は以下のような状況であった。

なお、患者さんは#30を抜歯して矯正治療をしていた。

(本来の#30の位置にあるのが#31, 本来の#31の位置にあるのが#32) 

ちなみに、それにどういう臨床的意味があるのか?

それが臨床的にしてはいけないことなのかどうなのか?

など、私には知識は一切ない。


初診時(2017.11.1)

この時の主訴は、

右下奥歯が痛くてものが噛めない

であった。

歯内療法学的検査は以下になる。

#31 Cold NR/20, Perc.(++), Palp.(+), BT(++), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#32 Cold+4/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

臨床的な検査と主訴が一致している。

これは歯内療法で問題が解決しそうである。

PAを撮影した。

#30の位置にある#31は樋状根である。

ということで診断は以下である。

#31 Pulp Dx: Previously Treated, Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis, Recommended Tx: Re-RCT, Intentional Replantation as needed

クラウンを除去し、メタルポストコアを除去し、再根管治療を提案した。

患者さんは同意し、再根管治療を行なった。

が、その際の動画は紛失している。


Re-RCT時(2017.11.17)

RIL=16.0でReference PointはBである。IBFはK File #35でMAFはHyFlex EDMの#60.02だ。

ということで思うように拡大ができなかった。

#35→#60までで拡大率は60-35/35=0.7倍だ。

MTAセメントで根管充填した。

その上にAmorphous型のGutta Percha Pointを置いて水酸化カルシウムを置いてCavitで仮封した。

その上にBC sealerとβのガンからAmorphous型のGutta Percha Pointで充填して水酸化カルシウムを置いて仮封した。

支台築造はかかりつけ医の仕事だったからである。


治療後から10ヶ月後に再診できていただいた。

初診の時にあった急性的な症状=Perc.(++), Palp.(++), BT(++)

は消失したという。

私の見立て通りであった。

PAを撮影した。

Re-RCT後 10M Recall(2018.9.18)

ということで症状は落ち着いた。

ここからリコールをさらに行う予定であったが、私が倒れてしまい叶わなかった。

が、かかりつけ医に連絡すると患者さんが久々に状況を見せてくれた。

それが以下の写真である。

まず右下の経過を見てみた。臨床症状もなく、問題がある部分はもはやない。

5yr Recall(2022.7.20)

根尖病変的なものはないと思われる。

ということで、5年経過したが歯内療法には問題は出ていない。

他の部位も合わせて経過を見た。

既に時間は13年経過している。


上顎前歯部(2022.7.20)治療終了から13年経過

この時はGPであったので全ての治療を行なっていた。

昔のHDを探すとなぜだかその当時の模様が出てきた。

初診は2009年の7月22日である。

口腔内写真は以下である。

#8,9のクラウンが脱離したというのが主訴だった。

クラウンは手で外れた。

PAを撮影した。(当時はVistascanはなく、手現で撮影していた。)

#8,9の命運は良いものでないことが想像つく。

が、抜歯すれば歯槽骨が喪失する。

ということで、矯正の先生にExtrusionしてもらい抜くことにした。

抜歯前に、#6-7-8-9-10-11で補綴をすることを伝えた。

もし、#7,10に問題が出ても抜歯してそのままFPDを維持できるからだ。

患者さんは治療計画に同意した。

処置前に#6,7,10,11を歯冠形成し、診断用Wax-up, プロビジョナルレストレーションを事前に作成し、歯牙を抜歯した。

ただこの際は歯牙の生活性に配慮して#6,11の歯冠形成はしていない。

#8,9の抜歯を行なった。

抜歯部が吸収されないようにGBRした。

そのままプロビジョナルレストレーションを仮着した。

時間がここから経過し、#6,11も支台歯に含めてブリッジが完成した。

ジルコニアのフレームである。

口腔内に試適した。

Shade Takingもしていたようだ。

そして完成する。

All Ceramic Crown FPD set(2011.3.26)

ちなみにこのブリッジだが13年経過した今も口腔内で機能している。

装着直後はカパカパ外れそうな音がするとずっと訴えていたがそれも久々お会いした今回は主訴から消えていた。

さて、それはさておき私はこの13年前に治療した部分は現在どうなっているか?を検査した。


13yr Recall(2022.7.20)

#9は歯頸部に外部?吸収的な像が見られる。

その他も根管治療していた部位をCheckした

13yr Recall(2022.7.20)

初診時(2009.8.3)と比べてみた。

そこからカウントすると、時間は13年経過している。(このPAが時間の経過を物語っている。今やこのPAを使用している臨床家が日本にいるだろうか?)

問題はないと思われる。

ということで治療した部分には問題はない。

下顎の前歯は以下のような状態であったのでPAを今回は撮影していない。

が、

#10 歯頸部の吸収?

#18 歯頸部の2次カリエス?の問題はある。

患者さんは次回、#10のCBCTを撮影される予定である。

またその際にこの歯がどのようになるのか?ご報告しよう。

少々お待ちください。