紹介患者さんの治療。

主訴は

(紹介先が#18の補綴治療をやりかえるので予防的に)根管治療希望

であった。

歯内療法学的検査(2023.2.7)

#18 Cold NR/20, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#19 Cold NR/20, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

補綴のやりかえのため、痛みも何もない。

PA(2023.2.7)

根尖病変がない。

ということは、以下の表の中のどれに該当するだろうか?

この中にはないじゃないか!というあなた。

はい、ありません。

が、論文の中にはあります。

Akerblom 1988 The prognosis for endodontic treatment of obliterated root canals

この論文の中に以下の表がある。

さて、この表からこの歯の再根管治療の成功率はいくらくらいと言えるだろうか?

ただこれはPAでの判断だ。

もっと正確な、CBCTで診断した方が精度は上がる。

CBCT(2023.2.7)

根尖病変は全く見当たらない。

下顎の5番のような解剖学的形態だ。

ということで、診断は以下になる。

歯内療法学的診断(2023.2.7)

#18

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Normal

Recommended Tx: Re-RCT

主訴に痛みがないので、治療中に感染に留意すれば特に問題のない治療と言える。

ということで再根管治療へ移行した。


☆この後、臨床的動画が出てきます。不快感を感じる方は試聴をSkipしてください。


#18 Re-RCT(2023.2.7)


歯牙は多く残存していた。

リーケージによるう蝕は、しかしながら、ほとんど見つからなかった。

ということで、ラバーダムをかけて再根管治療を行った。

根管充填後にファイバーポストを用いて支台築造し、PAを撮影した。



 

BC sealerとBC puttyで根管充填した。

それに特に意味合いはない。

その後、レジン+ファイバーポストで支台築造した。

最終補綴にすぐ様移行して構わないと伝えた。

根尖病変がないので次回は1年後である。

その際に皆さんにも再度ご報告したい。