紹介患者さんの治療。
主訴は
右上奥歯が痛む。虫歯が深く神経も残したが…
であった。
歯内療法学的検査(2023.2.15)
#2 Cold++1/13, Perc.(+), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#3 Cold+4/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
VPTが奏功していないようだ。
#2が怪しい。
PA(2023.2.15)
#2は断髄してある。
何度も言うが石灰化を招くことになる。
根管が石灰化して根尖病変ができると…目も当てられない。
そうでなければいいが。。。
CBCT(2023.2.15)
根管口は確認できるようだ。
MB
MBもそしてDBも確認できた。
まだこの治療が最近(2022年度)行われていることがラッキーだったのかもしれない。
が、MB根管は判然としない。石灰化が起きているのかもしれない。
が、それ以上に大事なことは
根尖病変がない
ということである。
つまり先まで尖通しなくても問題がない
と言える。
また根管がMBの中央に位置しているように見えるのでMB2はない可能性が高い。
私はラッキー?なのかもしれない。
DB
DBの直上に歯髄を保護する薬が確認できる。
DBは根管もはっきり見える。
このことは根管形成が容易なことを示している可能性が高い。
P
最後がPである。
ここははっきりと根管が見える。
そして根尖病変が見える。
口蓋から失活が始まったのかもしれない。
歯内療法学的診断(2023.2.15)
#2
Pulp Dx: Symptomatic Irreversibel Pulpitis
Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: RCT
推奨される治療はRCTである。
最大のポイントは、
根尖病変があるP根を尖通できるか?
である。
それが達成できればこの治療の目的はほぼ完遂させることができる。
☆これから治療画像/動画が出てきます。不快に感じる方は試聴をSkipしてください。
#2 RCT(2023.2.15)
チャンバーオープンしたが根管口が明示できない。
やはり石灰化が進行していた。
が、窩洞を整え、レジンを除去し、根管口と思しきくぼみに鋭い短針を食い込ませると徐々に全貌が掴めてきた。
正直、この作業が歯内療法では一番難しく色々な知識とスキルがいるだろう。
よっぽどApicoectomyやIntentional Replantationの方が簡単だ。
SXで根管上部を拡大しそれぞれ作業長を測定していった。
以下のようになる。
MB2は見つからなかった。
また、3根管とも#40.04まで拡大した。
Gutta Percha Pointは#35.04を使用している。
意味がわからないあなたはBasic Courseに参加するしかない(が、今年はもう締め切りました。来年以降お待ちしています。)
根管充填を行った。
最後に支台築造を行い、この日の治療は終了した。
この治療も1回法である。
1回で治療が終わるので患者さんは、
また歯医者に行かないといけないのか…
という気持ちになりにくいだろう。
PAを最後に撮影した。
ということでこの日の治療は終了した。
約1時間である。
次回は半年後である。
そこで経過が良ければ最終補綴へ移行して構わないだろう。
次回また検査、PA、CBCTの比較と皆さんにも報告いたします。
それまで少々お待ちください。