紹介患者さんの治療。
主訴は
全顎的治療を行うので既に根管治療している部分も含めて全てきちんとやり直したい
であった。
患歯にはプロビジョナルレストレーションが装着されていた。
歯内療法学的検査(2023.5.30)
#9 Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#10 Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#11 Perc.(-), Palp.(+), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#11には圧痛があるという。
PA(2023.5.30)
CBCT(2023.5.30)
#10
#11
歯内療法学的診断(2023.5.30)
#10
Pulp Dx: Previously treated
Periapical Dx: Normal
Recommended Tx: Re-RCT
#11
Pulp Dx:Previously treated
Periapical Dx:Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx:Re-RCT
#10,11ともに再根管治療を行なった。
#10,11 Re-RCT(2023.5.30)
#11は圧痛があった歯である。
穿通ができた。
が、根尖病変はないのでシーラーパフはないだろう。
#10は残念ながら穿通できなかった。
が、治療前の診断が
#10
Pulp Dx: Previously treated
Periapical Dx: Normal
Recommended Tx: Re-RCT
である。
穿通の必要性がない。
そんな歯は、そもそも治療しなくていいのではないか?というあなた。
言い換えれば、
症状も根尖病変もない歯の再根管治療をなぜやる理由があるだろうか?といえば、その答えは以下の文献にある。
よく読んでみてください。
何が述べられているだろうか?
Molander 1998 Microbiological status of root-filled teeth with apical periodontitis
ということで治療は終了した。
次回は1年後である。
またその際に状況をご報告しよう。