以前、#29のIntentional Replantationに関して記事をアップしたことがある。
1回目の#29 Intentional Replantation
2回目の#29 Intentional Replantation
なぜ2度行う羽目になったのか?といえば、1度目の処置で痛みが取れなかったからである。
2度目は切断量を前回よりも増やし、逆根管形成を根管全体に対して行なった。
1回目(2020.9)
2回目(2021.1)
その後の経過を追ってみよう。
再処置後1ヶ月後(2021.2)・・・問診を行うも痛みなどは全くない、と言われる。しかし前回のこともある。まだ油断はできない。この際はPAなど一切撮影していない。
再処置後2ヶ月後(2021.3)・・・問診を行う。痛みは消失していた。PAを再度撮影。
ということで、めでたく補綴治療へ移行ということになった。
この症例から私が学んだことといえば、
このように他院で根管治療された場合の外科治療の場合は根全体に対してアプローチ(逆根管形成)をしなければならないということだ。
そう、歯根全体を今一度形成しなおす必要があるということである。
つまり、私は再根管治療を行なってからそれでも治癒しなければIntentional Replantationを行うべきであったのだろう。
ここから学ぶ重要事項は他人(他院)の批判ではなく、自分への戒めとして
他人(他院)での根管治療はやはり信頼してはいけない
という事実である。
報告ではラバーダムして根管治療を行なったと聞いたが、患者に聞くと
そんなものしたことはありません
であった…
いったい私は何を?誰を?信用すればいいのだろうか…という話になるが、もしこのような難治性の症例を再度紹介されれば私は迷わず再根管治療を行うだろう。
これは今までになかった考え方である。
USC時代、私の担当医であったDr.Schechterは常に
外科治療の前に再根管治療を必ず行うこと
と大学院生に厳命していた。
外科治療を教える担当者であったにも関わらずである。
それを面倒くせえ親父だなと捉える同級生・上級生・下級生もいたが、彼の言い分はおそらくほぼ真実だろう。
まず再根管治療。そしてそれでも治癒しなければ歯内療法外科である。
大学院卒業後、5年も経過してようやくその事実に気がつかされた。
再意図的再植から9ヶ月経過時(2021.10.23)
Intentional Replantationを二度行なってから9ヶ月が経過していた。
いかなる臨床症状もない。
PAは以下である。
引っ越し先でプロビジョナルレストレーションを装着されていた。
ということで次回は最終補綴装着である。
またその際にご報告したい。