患者は30代男性。

バイト先での経過観察である。

左下6(#19)もApicoectomyを行なっている。

左上の臼歯部の保存を主訴に以前の歯科医院に来られた。(2018.4)

左上臼歯部は欠損があり、7番が近心傾斜していた。

5番は残念ながら保存は厳しい(歯牙の動揺が著しい)ため、抜歯となった。

根管治療後、Sinus tractは消失した。(2018.4)

この時の根尖部の位置に注目してほしい。

さてここから半年が経過した。(2018.10)

これも根尖部の位置に注目していただきたい。

さて、この後私は倒れてしまうがこの患者は倒れる前に外部の歯周病専門医に紹介していた。

#14の位置に患者さんがインプラントを入れたいからだ。

しかしこの歯周病専門医は大学院でサイナスリフトをしたことがないのでという理由で他院の歯周病専門医にインプラント処置を依頼した。

そして私が退院し、この歯科医院で予後を見ることができたのであるが…言葉を失うとはこのことだろう。初診時から3年経過しているはずだったのだが。

注目は#15のMB根の根尖である。

PAのどこにあるだろうか?

<治療前>

<GBR, Implant後>

歯周ポケットは健全であると聞いていたが

歯周ポケットは5mmでPA上でのCEJから根尖部までの長さにほぼ一致する。

つまり、インプラントを行ないたいがために骨造成して天然歯が歯周病になってしまっている。

この事実をその歯周病専門医はどう捉えるのだろうか?

といっても彼はこの症例にはこれっぽっちも関心はないだろう。

私はこの施術者をよく知っているが、これで心が痛むような人間ではないからだ。

彼にとってはなんでもない?出来事の??一つ???だろうが、この患者を紹介したのは私である。

私の責任が問われる状況だ。

患者には保存するのであれば近心根を犠牲にして2根にする治療を提案したが患者は悩んでいるそうだ。

そりゃそうだ、ようやく苦痛なインプラント処置が終わったと思ったら次は歯周病である。

しかも歯周病専門!といわれるクリニックに通ってこの結果だ。

私は患者さんにこの事実をお話しした。

“ GBRを2度やらないといけないと言われておかしいなと思ったんですよ…何でまたあの痛い治療をやらないといけないんだって。でもしないとインプラントが入らないからと言われてやったのですが、その時から担当医はこんな歯を残して(#15を保存して)も意味がないのにな…と呟いていたんですよ。”

これがアメリカでも問題になっている出来事だ。

歯周病専門医はそもそも歯を保存することが役目ではないのだろうか?

それがこんな歯を保存しても意味がないのにな…とは。。。

私は決めた。

今後、この歯周病専門医とは付き合えないし付き合わないと。

どうぞ、理想の?歯科医療を??追求???してください。