今日はケースではなく、表題のテーマで論じてみよう。

多くの?臨床家がメタルポストコアは歯の寿命には関わり合いがないと判断しているようだが、事実は違うようだ。

この日も以下のような患者さんが来院された。

主訴:左下の奥歯でものをかむと痛くて噛めない…

歯内療法学的検査(2025.2.19)

#18 Perc.(-), BT(++), Palp.(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

PA(2025.2.19)

#19は破折していて抜歯→Implant予定だという。

CBCT(2025.2.19)

#18 MB

#18 ML

#18 D

#18 歯内療法学的診断(2025.2.19)

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: Re-RCT

ということで、同日治療が行われた。

☆この後、治療動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。


#18 Re-RCT(2025.2.19)

メタルポストコアを近遠心で半分に切断し、コメット社の

エンドエキスプローラー EX-1

でセメントラインを剖出し、

ペントロンジャパンの

VPチップ

でメタルポストコアを除去した。

すると…

そこに待ち受けていたのは…

悲劇だ。

以下の記事を思い出さずにはいられない。

10年以上経過した歯(#31)の再治療〜自分が装着したクラウンが外れることは、歯科医師人生で負けなのだろうか?のその後の顛末記

あなたの理想を患者に押し付けてはいけない。

歯科医療はどうあがいても全身との因果関係はまだ分からない。

そこにあるのは、

日常生活の充実のみだ。

したがって、

取り返しがつかないような治療はすべきではない

と私は考える。

例えば別のケースだが、

この患者さんは私がアメリカに留学する前の2012年のGP時代に根管治療し、レジンで築造し、補綴治療を行なった患者さんである

が、2025年の今もレジンコアは外れていない。今も機能している。

なぜだろうか?それは分からないが少なくとも、

ラバーダム防湿して築造処置を行なったから

だろう。

以下の記事でも同じようなことを問うた。

10年以上経過した歯(#31)の再治療〜自分が装着したクラウンが外れることは、歯科医師人生で負けなのだろうか?のその後の顛末記

患者さんに抜歯→GBR→Implantの選択肢しか与えられない可能性が高い選択肢しか提示できない可能性が高い処置を行うべきであろうか?

それは私にはなんとも言えないが、

再治療をしてあげれるような処置をすべきである

と私は個人的には考える。

以上、50のおっさん歯科医師の戯言でした。