紹介患者さんの治療と6M recallの報告。
主訴は
左上の奥歯(根管治療を受けた歯)に炎症がある。奥歯で物を噛むと痛い。夜、時々痛みもある。3年前にその歯は某軍事病院で治療した
である。
某軍事病院…
日本は法律上、軍隊をもてないことになっているのでこの方は実は外国人の患者さんである。
どこの国か?というのは伏せておこう。
が、このようにうちには定期的に外国人の患者さんが来院される。
日本人も、外国人も、根管治療で悩んでいるのだ。
歯内療法学的検査(2023.1.31)
#14 Cold+2/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#15 Cold NR/20, Perc.(-), Palp.(-), BT(++), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
主訴が再現できていた。
適切な治療をすれば主訴が解決される可能性が高い。
☆検査動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
PA(2023.1.31)
この国の歯科医療のレベルがどれくらいか?わかるようなPAだ。
治療はとてもうまくいっているとは思えない。
根管治療に対してやる気がなかったのか、できないなりに頑張ったのか?
が、ラバーダム防湿はしていないという。
これでは…この国の国防は大丈夫なのか?と思わざるを得ない。
CTでも精査した。
CBCT(2023.1.31)
MB
DB
P
3根全てに根尖病変がある。
歯内療法学的診断(2023.1.31)
Pulp Dx: Previously treated
Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: Re-RCT
前医はラバーダムを使用せずに根管治療をしている+ほとんど形成できていないことから、再根管治療へ移行した。
同日に治療を行った。
#15 Re-RCT(2023.1.31)
レジンのクラウンを除去し、Gutta Percha Pointをグロスで除去した後に再根管形成を行った。
作業長は以下である。
根管充填した。
根充後 PA(2023.1.31)
MB, DB, Pからシーラーパフが認められる。
緊密な根管充填の証左だ。
ここから約7ヶ月が経過した。
#15 Re-RCT 7M recall(2023.8.16)
歯内療法学的検査
全ての検査に対して陰性であった。術前の咬合痛はもはや、ない。
PA
CBCT
MB
DB
P
MB, DB, Pの根尖病変は消失した。
ということで治療前と治療後を比較してみよう。
初診時 vs 治療直後 vs 7M recall
ということで補綴治療へ移行しても構わないだろう。
次回はさらに半年後の2024.2に1yr Recallを行う予定である。
その際の模様は、またご報告します。