紹介患者さんの治療。

主訴は

左下奥歯の咬合痛。左側でものが噛めない…

であった。

歯内療法学的検査(2023.10.17)

#18 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(-), BT(++), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#20 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#21 Cold+2/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)

#18でBT testをすると痛みがあった。

そこが主訴だろう。

PA(2023.10.17)

#18には根尖病変が見える。

ここが痛みの原因だろう。

根管形成もほとんどなされていない。

再根管形成で問題が解決される可能性がある。

CTも撮影した。

CBCT(2023.10.17)

#18

MB

根管形成が途中で止まっている。

そこに病変もある。

根管形成を訂正できれば…勝算がある可能性が高い。

ML

MLは根管形成自体がなされていない。

一般的にMLは直線的で、MBは湾曲根管のことが多い。

(咬頭と根管は相似になる)

その簡単な、MLが形成がなされていない。

なぜか?といえば、

無知と面倒臭いから

だろう。

保険で不採算の根管治療をだれが保険で真面目に・まともに、やるだろうか?

考えればわかる話だ。

歯の神経の治療で困っている方は、もういい加減気づいた方がいい

はずだ。

保険診療 根管治療 福岡

とか検索してもそんな歯科医院はこの世に存在しないか、今、練習中の歯科医師が奮闘しているか?どちらかだ。

考えれば当たり前だ。

安い費用で治療するバカがどこにいるだろうか?

逆の立場で考えれば当たり前の話である。

D

D根には、

J-shaped的なlesionが見える。

歯が割れている!

と言われても仕方がない透過像である。

それはポケットが正常でも、だ。

根管形成で問題が解決するだろうか?

それは…

実際にやってみないとわからない。

歯内療法学的診断(2023.10.17)

#18

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: Re-RCT

ということでこの日、#18の再根管治療へ移行した。


#18 Re-RCT(2023.10.17)

MLが直線的でMBがそこに合流している。

それを#35.04のGutta PerchaとK File #15で確認した。

Gutta Perchaに16.5mmの位置で傷がついていた。

各々を根管形成していった。

どのように行うのが臨床的か?は以前、解説した通りである。

作業内容は以下になった。

すべての根管を、#25.V→#40.04まで形成し、#35.04のGutta Perchaで根管充填した。

これだけ形成できれば…治癒する可能性は高いだろう。

が、どうなるか?はわからない。

Chybowski 2018  Clinical Outcome of Non-Surgical Root Canal Treatment Using a Single-cone Technique with Endosequence Bioceramic Sealer: A Retrospective Analysis

には再根管治療の成功率は93%である。

その理由をあなたは理解ができるだろうか?

ということで、根充後に築造し、PAとCBCTを撮影した。

MB

ML

D

ということでM,Dともに#18は穿通はしたが、

これで90%の治癒に入るか?は時間が経過しないとわからない。

次回は半年後の2024.4半ば以降に6M recallである。

またその模様をお伝えしたい。