バイト先での治療の経過観察。

#15のIntentional Replantationを2021.5.25に行っていた。

当時の主訴は

左上奥歯の咬合痛

であった。

歯内療法学的検査(2021.5.25)

#14 Cold+4/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)

#15 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(-), BT(+), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)

主訴が再現されていた。

PA(2021.5.25)

近心根は石灰化が進んでいる。

遠心根にはファイルが破折している。

メタルコアも装着されている。

CTを撮影した。

CBCT(2021.5.25)

歯性の上顎洞炎が起きている。

抗生物質を投与しても歯髄が失活しているので何も起きない。

外科的な処置しかなさそうだ。

歯内療法学的診断(2021.5.25)

Pulp Dx: Previously treated

Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis

Recommended Tx: Intentional Replantation

ということで、支台築造をやり直して、Intentional Replantationへ移行した。


⭐︎この後、外科動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。


#15 Intentional Replantation(2021.5.25)

脱臼して抜歯した。

抜歯窩の肉芽は全て除去できない。

除去すれば…

上顎洞が穿孔する可能性があるからだ。

抜歯した歯を観察し、根切し、メチレンブルーで切断面を染めた。

逆根管形成した。

当時は歯牙が割れる可能性があると言われている(Ex vivo study)超音波やバーなどで形成している。

この逆根管形成による残存歯質の薄さに注目してほしい。

この後、逆根管充填した。

PAを撮影した。

問題はないと思われる。

その後、抜歯窩へ再植しPAを撮影した。

ここから2年4ヶ月経過していた。

#15 Intentional Replantation 2.4yr recall(2023.9.26)

術前の臨床症状は完全に消失していた。

PAを撮影した。

CBCTも撮影した。

術前の上顎洞炎症状は完全に消失し、画像的にも完全な治癒を達成した。

ということで、問題は全くない。

術前と術後を比較した。

術前 vs 術後 2.4yr 比較

残した肉芽はどうなっただろうか?

全て歯槽骨に置き換わっている。

それは幻だろうか?

と言えば、文献通りだ。

これで経過観察も終了でいいだろう。

このように、

Intentional Replantationはその他の治療ができないときの切り札になる治療である。

どうせ抜くなら…根の先を3mm切断して、逆根管形成して、逆根管充填して、再植しろよ!と言いたくなる

のは私だけだろうか?