バイト先での経過観察。
患者さんは30代男性。
主訴は右上奥歯の痛み(咬合痛)。
この患者さんは昨日ご紹介した患者さんのご主人である。
まつうら精密歯科医院に来院されていた患者さんである。
ちなみに、まつうら精密歯科医院は今はない。
それから博多のまつうら歯科医院にもご夫婦で来院してくれていた。
歯内療法学的検査は以下になった。
#2 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(+), BT(+), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
#3 Cold+2/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio probe(WNL), Mobility(WNL)
PAは以下になる。
レントゲンの荒さに目がいってしまう。
が、根管形成が十二分になされていないため再根管治療で十分に根尖病変をマネージメントできる症例である。
Pulp Dx: Previously treated
Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis
治療の成功率は形成がほとんどなされていないため、かなり高い。
ということで、旦那さんも再根管治療となった。(2017.1.18)
作業長やMAFなどの細かいデータは以前の歯科医院を取り上げられてしまったためわからない。
が、MB1とMB2は合流していた。
したがって結果的には4根管でなく3根管になった。
根管充填し、レジンで支台築造した。
患者さんは遠方からなので、ここから約1年後に経過観察に来ていただいた。
(補綴治療は他院で行っていただいている。)
経過観察時(2018.2.14)
この時点で既に咬合痛はない。
根尖病変も消失しているように見える。
が、正確にはわからない。
正確に知るにはCBCTを撮影するべきだが、CBCTは撮影していない。
なぜか?
外科治療にはならないからだ。
世の中で、むやみにCBCTを撮影してはいけないと唱えている人がいる。
しかし、その人の臨床では必ずCBCTを撮影している。
人に教える時と自分の普段の臨床があまりにも違っている。
おいおい、そんなことでいいのか?と思うが、何を言っても通じないだろう。
もはや何も言いようがない。
私は、基本的には外科治療にならない限りCBCTを撮影することはない。
だから今までもそしてこれからもCBCTを購入しようという強い気持ちは正直ない。
さてここから私は2019.3あたりに経過観察を行う予定であったが、皆さんご存知の通り私は脳出血で倒れて歯科医院を取り上げられてしまった。
が、この患者さんに連絡すると私のバイト先の歯科医院に来ていただけた。
約3年2ヶ月ぶりの経過観察である。(2021.4.9)
根尖病変は確認できない。
3年前にあった咬合痛もない。
主訴は改善されていた。
以下、患者さんの感想である。
先生、本当に助かって良かったです。
倒れたと聞いたときに本当これからどうすればいいんだって目の前が真っ暗になりました。
先生の体はもう先生だけのものじゃないんです。
健康に留意してもらわないと私達や歯内療法の問題で苦しんでいる患者たちが困ります。
これからも困っている人達をよろしくお願いいたします。
ということで私は倒れて身ぐるみ剥がされてしまったが、どうやら一定の人たちに求められているのでまだまだ死ねないらしい。
求められている限りは死ぬまで頑張ろうと思う。
命ある限り。