経過観察処置の患者さん。
2018.3.2が初診で、
当時の主訴は
他院で抜歯と言われたが保存したい
であった。
痛みなどの症状は全くないと言う。
歯内療法学的検査(2018.3.2)
#8 Cold+3/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#9 Cold NR/20, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
初診時 PA(2018.3.2)
歯内療法学的診断(2018.3.2)
Pulp Dx: Previously treated
Periapical Dx: Asymptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: Re-RCT
再根管治療の適応となる症例であるが苦しいのは歯質があまりないという事実である。
紹介先に矯正的挺出が可能か打診したところ可能であるという返事が来たので歯内療法に移行した。(2018.3.7)
保存が可能であるのであれば、無理矢理にでも根管治療はできるのである。
以下のPAがそれを示している。
ここから紹介先で矯正的挺出が行われ、経過観察に移行した。
#9 Re-RCT 6M recall(2018.9.16)
エンドの問題は出ていない。
これで挺出に問題がないのであれば、最終補綴へ移行してもいいという打診をしたところ最終補綴を装着したそうであった。
が、私は倒れたので予後が見れなくなったがこの日の定期健診で見ることができた。
治療から6年が経過している。
⭐︎以下、検査動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
#9 Re-RCT 6yr recall(2024.2.28)
症状は全く無い。
#9 Re-RCT 6yr recall PA(2024.2.28)
根尖病変はない。
歯牙も安定している。
どこの歯科医院に行っても、抜歯と言われた歯が保存できたのである。
患者さんは大喜びであった。
諦めずに探して良かった…
と、この日も言われた。
歯科医療は、
施術者によりどうなるか?が大きく変わっていく。
保存を試みようとする者、抜歯を試みようとする者に分かれるが、
なぜ抜かなければならないか?と言う理由が咀嚼できない限り、諦めない方がいいだろう。
今日の症例がそれを示している。
CTも撮影した。
#9 Re-RCT 6yr recall CBCT(2024.2.28)
根尖病変はない。
抜かないといけない!と言う専門家のアドバイスは何だったのだろうか?
このように、歯牙が残存していなくても矯正的挺出で保存することもできるのである。
あなたが抜歯に苛まれているのであれば、別の回答をこの日のBlogは示しているだろう。
諦める前に、まずは話を聞きませんか?
この患者さんは安定しているので、次回は4年後に経過観察になった。
またその模様をお伝えしたい。