紹介患者さんの治療と経過観察。
主訴は、
左側の奥歯でものを噛むと刺すような痛みがある…
である。
歯内療法学的検査(2023.5.11)
#12 Cold+1/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#13 Cold NR/20, Perc.(+), Palp.(-), BT(++), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#14 Cold+2/2, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
打診痛と咬合痛がある。
主訴が再現できている。
あとは、適切な治療だ。
PA(2023.5.11)
#13に石灰化している可能性がある根管の根尖部に病変が見える。
その歯には短いポストコアが装着されている。
これでは、歯根が破折するリスクがある。
この石灰化根管を穿通できれば、勝負に勝てるかもしれない。
が、
不適合なPFMが装着されていることから、この適合が向上すれば穿通しなくても治癒する可能性はあるだろう。
昨日の記事のような予想があたるだろうか?
CBCT(2023.5.11)
石灰化気味の根管の根尖部に病変がある。
穿通できれば…勝負に勝てる可能性が高い。
が、
不適合修復物がある。
ということは、穿通しなくても60%の可能性で治癒へ傾く可能性がある。
これだけ見ても、穿通できるかどうかの判断はできない。
ともかく、やってみるしかないのだから。
歯内療法学的診断(2023.5.11)
Pulp Dx: Previously treated
Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: Re-RCT
と言うことで、同日に再根管治療へ移行した。
⭐︎この後、治療動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
#13 Re-RCT(2023.5.11)
こういう根管充填は側方加圧とは言わない。
はっ?、な
あなたは、
Basic Course 2024
でお待ちしています。
最後にPAを撮影した。
当時は当歯科医院にCBCTがなかったので撮影していないが、
PAでシーラーパフが見える。
パフがある=根管内が密閉されているということの少佐である。
が、これで本当に穿通しているか?はわからない。
が、以下の絵がそれを示している可能性はあるだろう。
Root ZX miniの説明書に記載されている通りだ。
Root ZX mini Operation and Instructions
ということで、ここから半年が経過した。
⭐︎以下、検査動画が出てくるので苦手な方はSkipしてください。
#13 Re-RCT 7M recall(2024.1.29)
全ての検査で陰性だ。
PA, CBCTも撮影した。
半年前と比べてみた。
症状が消え、病変も縮小傾向にある。
穿通しなかった?ように見えたのに、だ。
昨日のこの記事に記載されていることがやはり真実だろうか?
それは誰にもわからないけど。
ということで、もう半年置いてこの歯がどう画像的に変化するか観察したい。
またご報告します。