紹介患者さんの治療。
主訴は、
ゴールドで歯髄を保存したが、その歯の調子が悪い…
であった。
歯内療法学的検査(2024.4.25)
#3 Cold+5/1, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#4 Cold NR/20, Perc.(+), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL), Sinus tract(+)
#5 Cold+3/3, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
患歯は#4のようだ。
PA(2024.4.25)
#4に根尖病変が見える。
ここが患歯だろう。
CTも撮影した。
CBCT(2024.4.25)
#4の根尖に大きな病変が見える。
ここが患歯で間違いないだろう。
歯内療法学的診断(2024.4.25)
Pulp Dx: Pulp Necrosis
Periapical Dx: Chronic apical abscess
Recommended Tx: RCT
ということで推奨される治療は根管治療である。
成功率は90%であるが、Sinus tractがあるので、外科治療になるかもしれない。
それは神様の思し召しだ。人が決めれることではない。
ということで、同日に治療へ移行した。
⭐︎この後、治療動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
#4 RCT(2024.4.25)
治療のポイントはこの動画の部分だけだろう。
非機能咬頭のBを主根管にして、機能咬頭のP根管を合流する根管にした。
もちろん、この逆でもいい。
CTからするとPの方が湾曲が強そうだからだ。
まあでもこれくらいの湾曲ならどっちがどっちでも大したことはないけども。
治療後にPA, CBCTを撮影した。
問題はないだろう。
次回は1年後である。
またこのケースから思うに、
多くの人は何で封鎖しようか?と外部との封鎖に関して考える傾向にあるが、たとえ何で修復しても、歯髄が壊死してしまえばその効果はない
ということである。
外との境界線を如何に高度に封鎖するか?も重要だが、
内部のことももっと考えろよ
と言いたくなるのは私だけだろうか?
それでも、いやそんなことはない!というあなた。
かつて私が付き合っていた、歯科技工士から言われた以下の言葉をあなたに送ろう
“全てのものは壊れます”
ともかく、またこの治療の模様を1年後にお伝えしたい。