バイト先での治療。
主訴は、
左下の奥歯で物を噛むと鈍痛がある。そこを避けて噛まないといけない…
である。
歯内療法学的検査(2024.5.21)
#18 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(-), BT(++), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
PA(2024.5.21)
根尖部まで既に太く形成されている。
これでは…再根管治療に勝ち目はないだろう。
ということは、Intentional Replantation一択だ。
CBCT(2024.5.21)
M根
PAでは見えないがCTでは近心根に病変が見える。
D根
D根にも大きな病変がある。
PAでは見えないのに、だ。
もはやPAには病気の大きさをどうこう論ずる価値がない
のかもしれない。
が、これらの
CBCT画像
から、
抜歯は容易だろう
という予想がつくのはわかる。
歯内療法学的診断(2024.5.21)
Pulp Dx: Previously treated
Periapical Dx: Symptomatic apical periodontitis
Recommended Tx: Intentional Replantation
ということで、治療は半年後に行われた。
理由は、
学研都市歯科・矯正歯科での私の予約が半年取れないからだ。
ここで治療を希望される方はそこを考慮して予約をお取りください…。。。
ということで、半年待っていただいて、治療が行われた。
☆この後、外科動画が出てきます。不快感を感じる方は視聴をSkipしてください。
#18 Intentional Replantation(2024.11.26)
半年の間にメタルポストコアを除去し、レジンコア+プロビジョナルレストレーションの状態まで持っていってくれていた。
近心にラクスエータープラスを挿入し、脱臼させている。
さもなくば…抜歯に時間がかかりすぎるだろう。
今年、8/4, 11/23と東京で講演した通りだ。
抜歯後にメチレンブルーで染色した。
VRFはないと思われる。
Apicoectomyへ移行した。
Retroprepした。
バーでやると早い。
Retrofillした。
逆根充後に歯牙のPAを撮影した。
問題はないので、抜歯窩に再植した。
PA, CBCTを再植後に撮影した。
M
D
ということで次回は1ヶ月後である。
またその模様をお伝えしたい。
さて、この日は外勤でバイトであったのだが、自宅に戻りメールを開くとあの人からメッセージが来ていた。
Hi Akira,
I hope all is well with you. I was very happy to see you the last time we talked.
I noticed the CBCT of an intentional reimplant you posted and am very happy you are performing the procedure. I have one suggestion for you. Whenever you prepare an isthmus, please prepare to a depth at least 3mm or more. This should be easy since the tooth is in your hand. The deeper the depth, the more of the isthmus you clean and the better the seal of your retro fill will be. Please reply to this email because I am not sure it is current.
Take care,
Dr. S
Dr.Sとは、そう私の恩師のDr.Schechterだ。
Intentional Replantationするときは3mm以上はRetroprepしろ、
そうすれば、
イスムスもより深く清掃できるし、
逆根管充填による封鎖もより強固なものになる
この発想は、まさにこの文献の結果に基づいている。
歯根のある限られたエリアにほぼ100%のイスムスが分布しているわけがないだろう。もっと柔軟になれ!
と、Dr.Schechterによく昔言われたのを思い出す。
ということで、以下のように返事をした。
Hi Dr.Schechter, thank your very nice advice, but I’m always checking what I retroprep at least 3mm.
Let me show you the proof lol.
You are one of the best mentors!!
Best,
Akira
が、いつものように返事がないw
というこの週はDr.Schechterを思い出させてくれるそんな週であった。