8/24(日)はまつうら歯科医院 歯内療法専門室で、Advanced Course 2025 第3回が行われた。

この日のテーマは麻酔である。

現状、日本で使用が可能な麻酔は以下だ。

最近、GCさんの尽力で日本でもセプトカインが使用できるようになった。

私がUSCの時代は、Facultyの許可が出ないと使用ができなかったものである。

そう。自由に使用できなかったのだ。

その理由は伝達麻酔による術後の麻痺の可能性があるからだ。

によれば、以下のような記述がある。


Articaine causes paresthesia and should not be used for nerve blocks.

→Questionable.

Two retrospective studies found a higher incidence of paresthesia with articaine and prilocaine (25,26).

However, it was a clinically rare event (14 cases out of 11 million injections).

Pogrel (27) evaluated patients referred with a diagnosis of damage to the inferior alveolar and/or lingual nerve, which could only have resulted from an inferior alveolar
nerve block.

He found 35% were caused by a lidocaine formulation and 30% were caused by an articaine formulation.

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He concluded there was not a disproportionate nerve involvement from articaine.

25. Haas DA, Lennon D. A 21 year retrospective study of reports of paresthesia following local anesthetic administration. J Can Dent Assoc 1995;61:319-20.

26. Miller P, Lennon D. Incidence of local anesthetic-induced neuropathies in Ontario from 1994-1998. J Dent Res 2000;Abstract (3869):627.

27. Pogrel MA. Permanent nerve damage from inferior alveolar nerve blocks – an update including articaine. Calif Dent J 2007;35:217-3.

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これがセプトカインの最大の問題だ。

だが、麻痺確率は1,100万回伝達麻酔して14回である。

プリロカインと比べても優位差はなかったという。

では、なぜ麻痺は起こるのだろうか?

伝達麻酔で麻痺が起こる機序は不明である。

もし、麻痺が出れば以下のような対応が必要だ。

いずれにしても、キシロカインを使用しても全ての麻酔で(伝達麻酔に限らず)3~7%の麻痺が出ることが分かっている。

そして伝達麻酔時の電撃痛で麻痺が起こることもない。

が、伝達麻酔は麻痺の温床?として日本では忌み嫌われている。

アメリカでは、CR充填でも、スケーリングでも、支台築造でも伝達麻酔だ。

そして、歯学部生が麻酔をしてそれらをする。

この伝達麻酔の弱点?は、術後に開口障害が出ることである。

これはアメリカの歯科医師国家試験での定番問題だ。

また、一時的に(15分間)目が見えなくなることも、報告されている。

そう。

このことからわかることは歯科医療とはそうしたリスクが治療にあるということである。

それをあなたは理解していますか?

さて、この日は以下のように実習が行われた。

X-tipを人生で使用することはないかもしれない。

が、エンドだけで開業しているとそういう患者さんが現れる。

なので、もしもの時には必要不可欠だろう。

それをできるだけ防ぐためには、以下のような戦略も必要であった。

そして驚くべきことに?上顎の方が下顎よりも奏功時間が短い。

このことは歯内療法をマネージメントする上で非常に重要な知見であろう。

ということで1日はあっという間に終了した。

みなさん、お疲れ様でした。