バイト先での治療。
患者さんは50代男性。
主訴は左下奥から2番目の歯の根元が痛くてリンパが腫れた。(今は痛みがないが…)
であった。
歯内療法学的検査は以下になる。
#18 Cold +3/4, Perc.(-), Palp.(-), BT(-), Perio Pocket(WNL), Mobility(WNL)
#19 Cold N/A, Perc.(+), Palp.(+), BT(-), Perio Pocket(WNL), Mobility(WNL)
#20 Cold N/A, Perc.(-), Palp.(+), BT(-), Perio Pocket(WNL), Mobility(WNL)
PAは以下になる(歯が長くてPAを前歯と同じように縦に撮影した。)
歯内療法学的診断は以下になる。
#20 Pulp Dx: Previously Treated, Periapical Dx: Symptomatic Apical Periodontitis
Recommended Tx: Re-RCT
採用される治療は再根管治療であろう。
理由は
①前医がラバーダム使用していない
②根尖部の拡大がそれほど大きくない
③よりテーパーをつけた形成が可能
④作業長終末をより根尖に移動させることが可能(もしもApical Foramenの位置がもっと根尖孔に近い位置であれば)
だからである。
と言うことで昨日に引き続き、この日も再根管治療となった。
治療の工程(内容)は以下になる。
前医の根管治療はかなりのアンダー治療であった。従って④を再治療により満たすことができたと思われる。
それに伴い、③を満たすよりも②を満たす方が容易と考え、WaveOne GoldやProTaperを使用した再根管治療は行っていない。
基本に立ち返り、根管治療自体をやり直した形になった。
ポイント試適のPAを撮影した。
Gutta PerchaがApex付近に一致していたため、根管充填する前に根尖部のGutta Perchaを0.5mmほどメスでカットして根管充填を行なっている。BC sealerと共にSingle Pointで根管充填し、ファイバーポストを使用して支台築造まで行なった。
シーラーパフが密に根管充填されたことを示している。
ということでこの日の治療も終了した。
この患者さんは遠方の方であるのでこの日の前日は一泊されて、2本の再根管治療が終了した。
こんなに治療が早く終わるのか!と感動されていた。
はい。こんなに早く終わります。
しかもこの歯科医院は、私の意向でクラウン除去、ポストコア除去などの費用を患者さんに請求していない。
患者さんはこの後は補綴治療に移行する。
プロビジョナルレストレーションを装着して半年後の経過観察に備える予定である。
半年後にまたご報告したい。