かつての歯科医院の患者さんの経過観察。
この記事は、2021.3.10の記事の続編である。
#3 Apicoectomy失敗➡︎Intentional Replantation後3年経過
また昨年末にも記事にしていた。(2021.12.22)
世の中のニーズを満たせる歯科医療とは?〜#3 Re-RCT⇨MB Apicoectomy⇨Intentional Replantationへと治療が変遷し…処置後約4年経過
他院で根管治療したが痛みが取れず、その弟が引き継いで治療した。(弟はかつて私が行っていたセミナーによくきてくれていた。)
兄弟で治療方針が全く違う。
兄はインプラント志向が強く、弟は歯の保存志向が強い。(ちなみに弟は某大学のインプラント科の研修医であったが、である。)
どちらが良いか?は患者さんが決めるべき問題のなので私にはなんとも言えない。
が、日本人の特性からしたら
歯の保存傾向が強い歯科医院がもてはやされる。
ということで、弟はラバーダムをかけて私が教えた方法で再根管治療を行ったが
患者さんの痛みは解決できないでいた。
そこで私に紹介が来たのである。もう5年も前の出来事だ。
その当時の検査の様子である。
#2 Cold+1/6, Perc.(-), Palp.(-),BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#3 Cold N/A, Perc.(+),Palp.(-), BT(+), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
#4 Cold+3/5, Perc.(-), Palp.(-),BT(-), Perio Probe(WNL), Mobility(WNL)
PAは以下になる。
CBCTは以下になる。
全ての根尖部に根尖生歯周炎が散見される。
これは、全ての根管の切断と逆根管形成を行う必要があるかもしれないので、Intentional Replantationを行った。(2018.5.25)
歯牙は脱臼させないと、抜歯は不可能である。
さて、この後私は倒れたため経過が追えないでいた。
が、新しい歯科医院に患者さんは来てくれた。
処置から既に5年が経過している。(2022.1.11)
他院にて、Intentional Replantationの予後を判断するためにCBCTを撮影して頂いた。(2022.1.19)
MB, DB, Pともに問題のない治癒を示している。
治療は奏功したのであった。
そして、患者さんはRecall時も非常に元気だった。
このブログででている患者さんの個人情報は改変していることが多いが、患者さんから
“年齢・性別に関しては改変せずにそのまま出してほしい。なぜか?といえば、同じ問題で苦しんでいる同年代の女性に理解をしてほしい(私の症例を見てほしいから)から”
と言われた。
安易に抜歯に走らず、歯を保存することの喜びをこの患者さんは味わったのである。
これは成功体験として強く患者さんに残るだろう。
ということで、Recallは終了した。
しかし、これで5年である。
こうした息の長い症例が当歯科医院も増えてきた気がする。
しかし、その一方でもう来ないという方もいる。
それに対して私は何も意見することはできない。
大切な歯であれば、来院もしてくれることはできるが、
体調が悪かったり、
入院していたり、
施設に入られていたり
とかがでてくればRecallはできないからだ。
元気であれば見せていただくこともできる。
こうした人の予後が長く見れるように私も体調に気をつけて
(週2回、キン肉マンと筋肉トレーニングしている。)
がんばりたいと思う。
私はこの仕事を途中で放棄することはない。
この仕事が終わる時は、私が死ぬ時である。
私に従って、定年(引退)はない。
死ぬまで現役だ。
私が死んだ時が、引退する時だ。
私はいつ死ぬのか?それは今はわからないが、健康体でなるべくいたいと今は思っている。
神様、私にもう少しだけ?時間をください。